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アベノミクスは結局失敗?インフレターゲットの危険性とは

第2次安倍政権が2012年12月に発足し、経済対策としてアベノミクスをスタートしました。そこにはデフレを脱却しインフレにしていくことによって、経済活動を活発にしようとする意図がありますが、インフレにもリスクがあります。今回はインフレにどのようなリスクがあるのかを解説していきます。

インフレとデフレ

インフレというのはインフレーションの略で、物の価格が上がっていくことを言います。たとえば昨年まで10万円で購入できていたパソコンが、今年は12万円になってしまうことです。つまり貨幣の価値が下がることを意味します。

貨幣の価値が下がると、ずっと持っていても価値が下がり続ける訳ですから、消費に回そうと考えるようになります。その結果として物が売れるようになり、需要に答えるためにも会社が物を生産する量を増やすので、給料も上がっていくようになります。なお貨幣の価値が下がるということは、海外との比較からすると、通貨安になるということです。

またデフレはデフレーションの略で、物の価格が下がっていくことを言い、貨幣の価値が上がっていくことを意味します。貨幣の価値が上がるということから、お金を使わないで貯めていった方が安全だということで、経済に悪い影響があると考えられるようになりました。いわゆる日本が2000年以降に経験してきたデフレスパイラルです。

その当時、多くの企業が倒産することで消費が冷え込み、多くの消費者がお金を使うことを控えていくことでさらに消費が低迷し、商品の価格を下げないと購入してもらえませんでした。商品の価格を下げることが、結果的に雇用にまで波及して、正社員を採用しないで派遣やパート労働で間に合わせる、今まで雇っていた人を退職させたり給料を下げたりすることで、消費活動がさらに冷え込んでいってしまいました。

また自国の貨幣価値が上がるということは、海外と比較すると通貨高になるということです。2000年代でデフレが続いているときに、80円台の円高になっていたことが記憶にある方ならわかるでしょう。

インフレとデフレの説明を聴くと、デフレが悪いもののように感じるかもしれません。その結果として、インフレにしていく必要があると考えるかもしれませんが、大きなリスクもあります。

インフレのリスク

リスク

2019年12月のCOP25(第25回国連気候変動枠組条約締約国会議)は、チリで開催されることになっていましたが、スペインで行われました。議長国だったチリが開催を断念した理由は、地下鉄の運賃を4%引き上げることに対する抗議デモが深刻化したためでした。

南米でも比較的治安がいいとされていたチリで暴動が起きたのは、所得格差に対する不満もありましたが、生活費が上昇していく問題を抱えていたところに地下鉄運賃を引き上げると発表されたことで、不満が一気に爆発したカタチとなったわけです。そして通貨のペソも20%程度、価値が下がっています。

またアラブの春で唯一の成功例と言われていたチュニジアが、インフレによって苦しんでいます。消費者物価指数がアラブの春が起きた時を起点とすると2018年には150になり、生活必需品の価格が上昇したために公務員が給料の引き上げを要求するストライキが行われました。インフレが悪化し深刻化していくとハイパーインフレに陥ってしまいます。

ハイパーインフレで戦争や国家破綻のリスク

ハイパーインフレで戦争や国家破綻のリスク

かつて第二次世界大戦が起きましたが、その理由は第一次世界大戦に負けたドイツのハイパーインフレが原因でした。敗戦によって多額の賠償金を請求されましたが、信用がないのに通貨をたくさん発行したことによって、価値が下落しました。ドイツからの支払いが滞るようになったことによって、資産を没収されたり占拠されたりしたので、結果的に第二次世界大戦が勃発することになりました。

近年だとジンバブエで起きたハイパーインフレが有名でしょう。2000年代のはじめに労働者からの賃上げ要求などに応じるため、ジンバブエドルを大量に発行しました。そのためインフレになってしまい、強制的に商品の価格を半額にすることにより企業が倒産したり、商店で物が売られなくなったりしました。他にも強権的な政策を打ち出していった結果、ジンバブエドルの通貨の信用が無くなったことでハイパーインフレが起こり、前月比796億%になったこともありました。ニュースなどで、大量のジンバブエドルをリアカーで運んでいるところを見た覚えがある人もいるかもしれません。

またハイパーインフレから国家破綻をしたので有名なのはアルゼンチン。かつては農業大国として有名でとても裕福でした。しかし、産業の構造改革を試みるも失敗し、オイルショックやフォークランド紛争を経験することによって1988年にはインフレ率が5000%に達してしまいました。その後のさまざまな経済政策の失敗により2001年にはデフォルト(債務不履行)を起こしています。2019年も債務返済の延期を発表していて、最もデフォルトに近い国と目されています。

インフレターゲットが日本を救うのか…

日本を救う?

アベノミクスでは2%のインフレを目標として、通貨供給量を拡大してきました。ただし2014年にインフレ率が2.76%になった以外は、横ばいを続けています。アベノミクスでやったことは、大胆な金融政策、機動的な財政政策、民間投資を喚起する成長戦略の3つですが、多くの国民にとって豊かになったと感じてはいないでしょう。

インフレターゲットの2%を目指していたにもかかわらず、ほぼ横ばいが続いているということは、経済政策によって経済をコントロールすることは難しいということです。先に挙げていたアルゼンチンやジンバブエ、チュニジアなども何の対策もしないまま、ハイパーインフレを招いてしまったわけではありません。

つまり景気浮揚のために行ったことがあだになり、結果的に今以上の不景気に陥ってしまう可能性もあるということです。日本政府債務が対GDP比で200%を超えてしまっている状況を踏まえると、安易なインフレ政策を行っていることへのリスクを考慮して、個人でできる対策を考えておくべきでしょう。

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