コラム

年金は破綻!?私たちがやることは何か考えてみた

2019年8月27日に厚生労働省が社会保障審議会・年金部会に提出した2019年の財政検証結果から、年金の今後がかなり雲行きが怪しいことが分かりました。果たして私たちは年金がもらえるのか、それとももらえないのかと思ったことはないでしょうか。私の結論としてはかなり怪しいと考えています。海外の年金事情も踏まえ、解説していきます。

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国が年金が減る可能性があると言及

年金が減る可能性

冒頭にあげた財政検証というのは、この先およそ100年間の超長期にわたって経済や人口動態の変化に応じて、厚生年金、国民年金の支給水準がどの程度下がっていくのかを試算し、加入者と受給者に示す作業のことを指します。

原則5年に一度のペースで実施されることが04年の年金改革法に定められており、今回は09年、14年に続く3度目の検証となりました。

検証というと難しく感じますが、つまり「もう一度現状を調べ直してみました」というものです。

検証の結果として、今後の予測を何パターンかにわけて説明しています。

一番うまく行くパターンは、賃金、物価の上昇率が高めに推移し、かつ働く人が増えるケースです。この場合の年金水準の下がり方は緩やかにとどまるとなっています。

最悪のパターンは、賃金・物価の上昇率が低く、かつ働く人が増えないケースの場合です。この時は、2050年代に国民年金の積立金が底をつきます。そのときの受給者=今の若い世代への支給水準は大幅にダウンし、文字通り年金が当てにできない時代が来る可能性がある。

このような報告を厚生労働省がすることになり、「年金で100年安心」と言っていたことを暗に覆したことになりました。

なお、すこし意図的だなと感じたのは、最悪のパターンの試算結果は文字を小さくして説明していて分かりづらくなっています。日経新聞などでは、ちゃんと最悪のパターンも説明していました。このあたりからも、あまりつっこまれたくないという国の方針を感じてしまいました。

なお、厚生労働省が考える最悪の事態をさける方法として、「デフレ経済」と「働き手を増やす」ことができれば問題が解決できるとされていますが、そう簡単な問題ではありません。

デフレ脱却の施策に失敗した日本

施策に失敗

デフレ経済を脱却するために、第2次安倍内閣は「異次元的質適量的緩和」を実施。大量の紙幣を日本銀行に発行させ、インフレを目論んだ経緯があります。

2020年の東京オリンピックまでに軌道にのせようとしたが、思惑よりも物価があがらず、このままでは失策に終わってしまう可能性が高くなってきました。

小泉内閣時代の検証が最近行われているように、安倍内閣の検証も後に行われます。その時に実態が露呈するとは思いますが、結論としては少子高齢化も止まらず、景気もそれほど上がらず、インフレにもならず、財政負担だけが増えたということになりそうです。

労働力確保に躍起な日本

労働力確保に躍起になる

デフレが脱却できないのだとしたら、次は労働力確保はどうでしょうか。政府は女性の社会進出を押し進め、社会保険に加入させようとしています。この加入条件をパートレベルにまで押し下げ徴収するというプランも検討されています。

というのも、今回の厚生労働省の試算で、パートも社会保険加入の場合をシュミレーションをしています。そのようになると、一気に社会保険財政は潤いますが、家計は圧迫しますので、国民の反発は必死でしょう。

移民という選択肢も安倍内閣は進めてきた経緯があります。しかし、EU内で起きていることを考えると、一度入れてしまったら後戻りできない移民は、かなりセンシティブな問題です。

国民年金はヤバい

さきほどの厚生省の試算だと最悪の場合、国民年金の積立金が取り崩されてしまうと説明しています。積立金というのは、支払われなかった保険料を積み立てているお金。このある意味「へそくり」のようなお金があって、それで足りない時などに凌いでいました。

ですので、この積立金が減ると余裕がなくなってしまうことになります。そして、最近はこの積立金は減少傾向にあります。理由は国の年金の税負担をちゃんと負担できていないから。国民が知らないと思って積立金を使っているというわけです。

とはいえ、税金は私達のお金。政治家からすれば、税金が足りないと言えないから、現状をごまかしているともいえます。

年金給付の額を減らせば、支出は減る。しかし、高齢者からの反発がくる。とはいえ、年金の徴収額をあげれば現役世帯からクレームがくる。

そして、税金を増やせば、国民全員からクレームがくる。

どの手を使っても文句を言われてしまう状況ですので、なんとなくやりすごしているのではと私は思っています。なぜなら現在、力がある政治家はほとんど高齢ですからね。

高齢政治家が30年後のことは考えているのかといえば、リアリティがわかないので難しいというのが本音なのではないでしょうか。

海外からみた日本の年金とは

米コンサルティング会社マーサーは、毎年世界の年金の格付けを行っています。2018年度の日本は34国中、29位。国が増えたので少し順位が上がってるのですが、それより少し前までは下にアルゼンチンがあるだけという状態で、ほぼ最悪クラスです。

理由はなんといっても、「赤字国債で財源を賄っている状況では、永続性に問題あり」というもの。

国の財源が少なくなれば、年金の額は減る可能性は非常に高くなります。

つまりどう考えても、国民年金・厚生年金は今ほどの金額は出ないのはもちろん、最悪出なくなってしまうことありえます。年金の支出が増えて、財政の負担が増えれば、国は騙し騙しやりながら、「だから昔から自己責任でお金を貯めておいて」といったじゃない。と言わんばかりになる可能性はあります。

財源がこれからどんどんなくなる日本では、年金制度の維持が現実的かどうかということを認識すればあなたがこれからやるべき行動は何かということは見えてくるのではないでしょうか。

私達が高齢者になっているときは、今の高齢者とは違っている可能性があります。老後が2,000万円必要だと国はうたっていますが、私達の頃にはこの金額ではまったくたりない可能性が高いです。

お金のために一生労働し続けるなんて、なんのために生きているのかわからなくなります。

気づいたら、すこしでも早い時期に対策をたてるほうがよいといえます。どんなものでも結果になるまでには時間がかかります。ですのでいろいろな情報をみて、吟味し、実際行動にうつしていくのが良いでしょう。

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