コラム

ゆうちょ銀行の詐欺疑惑。収益狙いで預金を狙う元国営銀行。

ゆうちょ銀行は、日本郵政が親会社である銀行です。全銀行における預金のシェアは低下傾向にあるとはいえ20%ほどを占めており、2位以下に大差をつけている状態です。前身の郵便局時代は一般の銀行に比べ、金利が高いこともあって人気があったようですが、今ではメガバンクの金利とほぼ変わりません。

ゆうちょ銀行

しかし、全国にある支店ネットワークもあり、高齢者にはなじみもあることから人気のある銀行です。ところが、このゆうちょ銀行が預金している高齢者を中心に営業をかけ、利用者にとって不利なことをしていることを知らない人が後をたちません。そこで今回はゆうちょ銀行のあくどい実態を解説していきます。

Contents

ゆうちょ銀行は未だに国の所有物

国の所有物

ゆうちょ銀行の親会社である日本郵政株式会社は、小泉政権による郵政民営化によって、日本郵政公社から生まれ変わった会社です。日本郵政株式会社の子会社には、今回取り上げるゆうちょ銀行のほか、日本郵便、簡保生命保険、日本郵政スタッフ、日本郵政インフォーメーションテクノロジーなどがあります。

現在も総務庁が日本郵便株式会社を管理しており、株の6割以上を国が持っている状態です。そして、ゆうちょ銀行の株式を日本郵政が9割以上持っている状態ですので、ゆうちょ銀行も実質的に国が管理しているといってよいでしょう。

2019年4月より預入限度額が2,600万円に

ゆうちょ銀行の預入金額は以前までは1,000万円でした。それが1,300万円に上がり、現在2,600万円まで預けることができるようになりました。その理由として、退職金の受け皿をゆうちょ銀行にさせたい国の思惑があるようです。

それに対して、民間銀行が猛反発。競争がフェアでないとし、早急にゆうちょ銀行を本当の意味での民営化にするために、株式を民間に手放すべきとしています。

民間銀行はどうして反発するのでしょうか。現在は低金利のために、預金を集めてもそれほどメリットがありません。メガバンクにいたっては、口座維持手数料を徴収しようとしています。したがって、ただ増やしたところであまりメリットはありません。実は一般の人には気づきにくいところがポイントだったのです。

情報弱者の高齢者をターゲットにしているゆうちょ銀行

ゆうちょ銀行が他の銀行と違う点は、貸出し業務が認められていないという事です。つまり、通常の銀行であれば大きい収益源にあたる部分がないために、他のところで稼ぐ必要がでてきます。そこで目をつけたのが、運用収入と手数料が見込める投資信託業務です。

投資信託の手数料は販売金額を増やすためだけではなかなか増えません。そのためには、高コストのアクティブ型の商品を販売する必要があります。

例をあげてみます。

販売手数料がかからない信託報酬が年間0.25%の投資信託1000万円販売しても手数料収入は2万5千円ほど。その中から、販売会社分の手数料をもらうことになりますが、それでは1万円強ほど金額しか稼げません。

一方、販売手数料3.5%で、信託報酬が1.2%の投資信託を同じ1,000万円販売すれば、販売時に35万円、そして年間12万円の信託報酬が入ってくるのです。

ゆうちょ銀行として、利益をあげるためにどちらの商品を販売すればよいのかは一目瞭然です。しかし、高コストな商品を販売することは、投資家側から見ると運用実績が悪化してしまうことになるのです。

※今回の記事ではゆうちょ銀行を取り上げていますが、どの銀行も同じような商品を販売しています。近寄ってくる銀行員には最新の注意が必要な時代です。【銀行が一番詐欺。近寄ってくる銀行員には耳を傾けるな。】の記事も参考に。

顧客本位でないものを売るゆうちょ銀行

2018年12月から2019年5月31日までのゆうちょ銀行が販売した投資信託の商品を見てみると、軒並み実質信託報酬が高くなっています。上位4商品でみると0.9~1.7%程度の報酬率です。またこれらの商品は、その当時人気が落ち込んでいた商品でした。金融庁が顧客本位でないという判断を下したやり方で、他の金融機関が販売を自粛していたのです。しかし、ゆうちょ銀行だけは販売を強化していたことになります。

ゆうちょ銀行の窓口で買える商品は手数料が高い商品のみ

ゆうちょ銀行の窓口に行くと、販売しているのは手数料が高い商品のみ。手数料が低い商品も表向きは販売されているのですが、実際購入する場合はネットで買わないといけない仕組みになっています。

つまり全面的に販売しているように見せかけて、ネットなどを通じて知恵がついている若い人やリテラシーがある層に対しては、低コストの良心的な投資信託を販売。一方、お金を持っているがネットをあまり使わない退職者層に対しては高コストの投資信託を販売しています。情報格差を利用し、取れる客からは取ろうとする戦略が露骨なことをしているのです。

高齢者に押し売りをしていたゆうちょ銀行

高齢者

高額な手数料がかかる投資信託については、ゆうちょ銀行は訪問をして販売を行っていました。「そこでの販売が強引ではなかったのか」ということで叩かれたのが、2019年9月13日の発表です。内容は、ゆうちょ銀行が正当な手続きを踏まず勝手に高齢者に投資信託を販売していたというものです。233の直営店のうち、約9割が勧誘する時に本来やるべき健康状態をチェックする項目を飛ばして、申し込みを受け付けていました。これは正常な判断ができる人だけを顧客にするというチェック項目だったと思われます。

このように、本来やるべきことをわざとやらないという、不適切な手法で販売した事例が2018年4月以降だけで、ゆうちょ銀行と販売委託先を合わせて、1万9591件あったと報告されました。

ゆうちょ銀行の西森正弘常務取締役は記者会見で、「手間がかかる(ため確認を省く)などと安易に考えて行われていた」と発表しました。しかし、実際は正常の判断ができない人も含めて販売していたのではないのでしょうか。なぜなら、現在の契約では本人の署名があれば契約として有効になってしまうことも多いからです。よくわかっていない高齢者から署名をもらえれば契約になるのだから、あえてやらなかったと考えるほうが素直な気がします。

国やゆうちょ銀行を信じてはいけない

銀行を信じてはいけない

ゆうちょ銀行は国の管轄にあたるため、よほどのことがなければ罰則などが与えられない可能性があります。あなたのご両親などが、このようなことに巻き込まれてしまうことも考えられます。オレオレ詐欺は高齢者を狙っていて悪いと国民は思っていますが、まさかゆうちょ銀行も高齢者を狙っているとは思わないものです。このようなことも現在であればインターネットで調べる力があれば分かることです。ご両親に調べさせるのは酷ですが、あなたは是非このようなことを頭の片隅にでも覚えていただき、トラブルに巻き込まれないようにしていただきたいと思います。

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