コラム

今注目のカーリースは本当に得なのか?全力でオススメできない理由を解説

日本は未だ車社会です。大都市圏に住んでいると公共交通機関が発達しているため実感はありませんが、地方に出張や旅行に行くと道を歩いている人がとても少ない。なぜならバスや電車の本数が少ないため皆マイカーを所持しているからです。

マイカーを購入する場合、一昔前なら銀行からの借り入れが一般的でした。しかし現在は銀行を介さないディーラー(メーカーの直営店)が提供するローンや各メーカー車を取り扱う販売店・リース専門会社が行っているカーリースというレンタルサービスなどの選択肢があります。

カーリースは比較的新しいサービスですが、実際のところはどうなのでしょうか?今回は一見魅力的に思えるカーリースについて解説していきます。

 

Contents

カーリースとはどのようなサービス?

カーリース

リースとは借りるという意味ではレンタルと同じです。しかし短期で誰でも使えるレンタカーと違い、長期かつ利用には審査が必要になります。カーリースは毎月決まった金額を支払うことで車に乗れるサービスで、日本自動車リース協会連合会によると、個人向けリース車は平成28年から急激に伸び始め平成31年(令和元年)には30万台を突破。サービスの認知に伴い利用者も順調に増え続けています

カーリースは面倒な手間がいらない

カーリースは月々の支払いに以下の項目が含まれています。

 

・自動車重量税や自動車税(排気量別)、環境性能割など

・車検基本料

・自賠責保険

・メンテナンス代(部品交換、オイル交換など)

 

各リース会社のプランにもよりますが、こういった面倒な支払いが込みなので突発的な支出に頭を悩ませることもなく、とても楽ちんです。

多くの車種から選べて月々の負担が軽い

軽自動車をはじめ、大人気のN-BOXや高級車のランドクルーザーなど国内メーカーであればほぼ全車種から選べます。さらに支払いを抑えたいなら中古車もあります。カーリースは新車だけでなく中古車もリースしているのです。
また月々のリースプランが5年・7年・9年と分かれているので、財布の状況に合わせて選ぶことができます。例えば新車の軽自動車なら月2万ほどの支払いでに乗ることが可能。しかも長期プランを満了すると乗っている車がそのまま自分のものになります!

カーリースがダメな4つの理由

ダメな4つの理由

車種を自由に選ぶことができて、税金やメンテナンス代も含まれていて、しかも月々の支払いが安い。これはもうカーリースを始めるしかないのでは?と思ったのならちょっと待ってください。客にメリットしかないサービスなんてあり得ません

それではカーリースを全力でオススメできない理由について解説していきます。

カーリースは月々の支払いが1万円台から利用できる軽自動車もあります。一見安く見えますが、あくまで最低料金です。カーナビやETCなど便利な装備を足せば月額料金に数千円ほど上乗せされ、最初に提示された月額では収まりきらない場合がほとんどです。さらにボーナス支払いを前提に価格提示をしているパターンもあり、ぱっと見て安い価格には注意が必要です。

長すぎるリースプラン

安い月額料金で乗りたいのなら9年か7年プランを選択することになります。

■9年プラン:7年乗った後は返却または乗り換え。完済すれば車をもらえる。

■7年プラン:5年乗った後は返却または乗り換え。完済すれば車をもらえる。

ほとんどのリース会社がこのようなプラン設定です。

カーリースを使いたいなら7年落ち、9年落ちの車をもらってどうするかを事前に考えておいたほうがいいです。下取りに出しても安いですし、修理代もかかります。最初から長い期間乗るつもりだ!というならカーローンでマイカーを買うという選択肢もあるはずです。月額払いという点では一致しています。

修理代は自分持ちでカスタム不可

メンテナンス代は込みだと言いつつも、あくまで借り物の車のため劣化によるタイヤ交換や、キズをつけた際の板金修理はリース会社ではやってくれません。また自分の車ではないため、マフラー交換や大掛かりなスピーカーの増設といったカスタムも不可です。特に気にしない人はいいかもしれませんが、リース車でキズをつける事に気を使い、日々の運転をするのは地味にストレスがかかります。

乗り換え時にまさかの追加料金

5年または7年乗ったから新車に乗り換えようとすると、返却時の車両状況によって追加料金が発生するリスクがあります。リース会社も状態の悪い車は評価しません。ましてや事故歴がついている車なら、中古車としても再利用しようとしても評価額は下がります。
また走行距離にも縛りがあり、契約時に年間走行距離を決めます。年1万キロか1万5千キロが多いですが、仕事でよく使ったり遠出が多かったりするなら走行距離にも気をつける必要があります。

途中でやめたら中途解約金

契約の途中でやめる場合は中途解約金を請求されます。これが結構えげつなく、月の支払いと乗っていた車両の売却額から選定されます。
例えば車両価格420万円、売却予定価格210万円の車を月5万円支払いで7年間プラン。しかし都合により1年で解約したならば、

車両価格:5万円×12ヶ月×7年分=420万円
支払った金額:5万円×12ヶ月=60万円
中途解約金:420万円-(60万円+210万円)=150万円

150万円もの解約金を請求されます。ここから事務手数料なども追加されるため、実際にはもっと増えます。これがマイカーであるならこんなことは起こりませんし、そもそもカーリースが顧客に対して全然優しくないという点にも注目です。

カーリースは人間の心理をついた怖いサービス

怖いサービス

昨今の高齢者による自動車事故により、免許の返納を勧める風潮や老人ばかりの地域に自動運転車を配備しようとする動きも検討されています。日本は高齢化社会に突入しているため、今後車の販売数がドンドン落ち込んでいくのは明らか。そうなると困るのは車メーカーです。あの手この手で車を売ろうとしつつ、利益はしっかり出さないといけない。その回答の1つがカーリースです。

・頭金の用意も難しい低所得者でも車に乗れる。

・ちょっと見栄を張りたい人にはワンランク上の車が手に届く。

・個別に税金やメンテナンス代を収める手間がなく、月々の支払いで完結する。

カーリースは「支払いに対する不安」と「面倒な手続きを極力減らす」という仕組みで、自分に負担をかけたくない、考えず楽をしたいという人間の心理を巧妙に突いています。販売店もメーカーも利益がしっかり取れるので、これはある意味画期的なサービスと言えるでしょう。

特に新しめのサービスでメリットしかないように聞こえるものほど要注意。その場で決めるのは止めて、ネット検索や口コミを見るなどをして一旦間を置き、冷静に考えてからにしましょう。車は住まいの次に高い買い物です。

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