コラム

これから車を購入する人は注意!残価設定型ローンで買うのがダメな理由

『若者の車離れが深刻』だと言われていますが、それは東京や大阪など大都市圏の話です。公共交通機関の発達していない地方は多く、日本はまだまだ車社会。

そんな地方に住む人の移動手段と言えば、電車やバスではなくマイカーです。最近は普通自動車よりも新車価格の安い軽自動車が大幅に増えたことにより、手に届きやすくお年寄りや女性も気軽に乗れる車として人気があります。一方でアルファードやBMWといったちょっとお高い車も人気なのですが、街ナカやサービスエリアなどで運転手を見ると意外と若い人が乗っていて驚かされることも多いです。

数百万円もする車なのになぜ乗れるのか?理由は『残価設定型ローン』という、ここ数年で急激に増えたローンにあります。

Contents

残価設定型とはどのようなローン?

残価設定型

残価設定型とは、まず車両本体の価格の一部を残価として設定します。残価はだいたい3年か5年後の下取り予想価格のことです。そして残価を引いた残りの車両価格を分割ローンで返済していきます。例えば、車両本体価格が500万円だとします。下取り予想価格が200万円なら、残りの300万円を3年または5年ローンで支払います。

3年または5年後にはどうなるのか

購入してから3年~5年が経過したら、3つの選択肢が選べます。

1:乗っていた車両を返却する。

2:同じディーラー(販売店)で新しい車に乗り換える。

3:今の車に乗り続ける。

1と2はこれ以上の支払いは発生しませんが、3の場合は買い取りになるため全て返済するまで支払いが続きます。前述の例でいうなら、車両価格が500万円の車を3年または5年の間、200万円の残価を引いた300万円で乗ることができるという方が正しいのかもしれません。

安い価格で新車に乗れるローン!

残価設定型は月々の支払いを抑えられるため、当初の予算が少なくてもワンランク上の車に乗ることができます。後に販売店へ返却する必要はありますが、続けて別の新車に乗り継ぐこともできます。

しかも銀行などの金融機関と比べると審査に通りやすく、20代や非正規雇用の人でもローンを組んで新車に乗ることができるのです。

・これは素晴らしい!

・いい事づくしじゃないか!

と思ったあなたは要注意です。ここからは『残価設定型ローン』のダメなところを説明していきます。

残価設定型がダメな4つの理由

車を買う場合、一括で購入できる資金がない限り通常はローンを組みます。その点で頭金の必要もなく審査もゆるい残価設定型は、一見すると客にメリットしかないように感じます。そのためディーラーも猛烈にプッシュしてきますが、世の中そんな上手い話はありません。

車両はあなたの所有物にならない

残価設定型ローンを組み、36回(3年)や60回(5年)といった分割回数を指定して支払いを続け、期間が過ぎたらディーラーで新しい車に乗り換えるか返却をします。つまり車はディーラーのものであり、あなたの車ではないのです。

返却または乗り換えが前提のため、車を購入したというよりは「ローンを組んで毎月車に乗れる権利を買っている」とも言えます。銀行のカーローンを組んで購入したのならマイカーになりますが、ローン終了後の残金を支払って購入しない限りはディーラーの所有する車なのです。

実は金利が高い

トヨタを例に挙げますと、残価設定型ローンの金利は年4.8%です。仮に車両価格が500万円でローン購入をした場合の合計金額は、

36回払い(3年):5,378,597円

60回払い(5年):5,633,888円

となります。対して銀行の変動型カーローン(三菱UFJ)の金利は年2.45%なので、

36回払い(3年):5,191,083円

60回払い(5年):5,317,568円

となり、36回払いで10万円以上の差がついてしまうのです。

下取りは予想価格より低くなりがちである

気をつけたいのが下取り価格の下落です。車に乗っていれば大なり小なり傷がつきます。また事故を起こして修復車扱いになると、返却時の下取り価格が大幅に下がります。そうすると追加で精算をしなければなりません

さらに車の市場価格も変動があります。下取り価格が保証されていない場合は、数年後の返却時に車の市場価格が暴落している可能性があり、追加で数十万円を支払わなければならないことも充分ありえます。下取りの査定額を気にしながら傷つかないように運転するのは正直ストレスです。

走行距離に制限がある

実は走行距離にも制限があり、だいたいが年間12,000km、3年で36,000kmまでが一般的です。1ヶ月あたり1,000kmなので、仕事で1日50km走るとしたら20日で消化する計算です。走行距離を超過したら追金を請求されるため、これ本当に自分の車か?と思ってしまいます。

 

客が得するローンなんてありません

客が得するローンなんてありません

トヨタや日産など日本の車メーカーは悪い意味で成熟しています。国からの販売許可が厳しいため国内の新規メーカー参入はありませんし、海外のメーカーでもビッグネームはテスラくらいです。また高齢者の増加や人口減少などの影響で国内市場はますます縮小する傾向にあります。

ではどうやってお客さんに多くの支払いをしてもらえばいいのか?疑いの目を向けられず、むしろ価値を感じてもらえる方法はないか?その1つの答えが残価設定型ローンです。一見、支払いが少なく客側にメリットが多いように見せかけて、実際は支払う金額が多くディーラー側にも旨みが多い

こういったローンを出しているディーラーやメーカーを糾弾するのは個人の勝手ですが、メーカー側も売上を作るのに必死です。残価設定型ローンも視点を変えて見れば、多少の無理をしてでも高級車に乗りたい人と、とにかく車を売りたいメーカーの思惑がマッチしたローンと見ることもできます。

客のためだけを思ったサービスなんてありませんので、例え良いサービスだなと思ったとしても裏には儲けたい企業の思惑が隠れています。車は家に次ぐ高い買い物です。まずはネットで実際の口コミを調べたり、ローンを組んだ友人や知人に感想を聞いたりして、すぐに飛びつかないように気をつけたいですね。

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