コラム

「終身雇用はネズミ講」か。日本人が空気は読めても本質を見失った理由

日本人が空気は読めても本質を見失った

昨年からの一連のコロナ禍対応への疑問。2021年は、経済的にも政治的にも色々な日本の問題が浮かび上がってくる年になるではないかと考える人も多いのではないでしょうか。

近年では「もはや日本は先進国ではない」ということも言われ始めています。これは当サイトでも書かせていただいていますが、G7(世界の主要7ヶ国)で「生産性」が最下位である日本は今後、先進国であり続けることができるのか疑問です。

今、日本人はこういったことに対して、立ち止まって考えることが必要な時期なのかもしれません。 特に私達は政治や経済に対して最低限の教養は持っていなければ、誤った判断のもと、間違った政治家を当選させてしまうこともあるでしょう。

そして、今回のテーマは「空気は読めるけど本質が見えない日本人」。これを考え、知識だけではなく、できる限り本質的に考える力について理解していきたいと思います。

終身雇用の本質は「賃金の後払いシステム」

終身雇用の本質は「賃金の後払いシステム」

今回は日本の社会に根付いた「終身雇用&年功序列」について考えてみます。
というのも、日本において最も根強く残っている社会の風習とも呼べるべきものだからです。

2019年5月13日にトヨタの社長が「終身雇用を守っていくのは難しい」と発言し、経団連の中西会長さえも「終身雇用なんて守れないと思っている」と吐露していますが、恐らく多くの人が未だに終身雇用なんて難しいのは理解しつつ、いつまでも今の会社が雇ってくれるはずと考えているのではないでしょうか。

しかし、制度としてはもはや「壊滅状態」でもあるはずです。

日本の高度成長を支えた、経営の三種の神器と呼ばれるものが3つあります。

  1. 終身雇用
  2. 年功序列
  3. 企業別組合

聞いたことがある人も多いと思いますが、これら3つの本質とは何だったのでしょうか?
私は、「賃金の後払いシステム」だと考えています。

入社仕立ての時は兎に角、低賃金長時間労働でも我慢を重ね、会社をやめずに年齢を重ねれば、地位と賃金が上がっていきいずれ報われる。
そんな事を考える人も多かったはずです。

上司や先輩からも暫く仕事に慣れれば昇進や給与が増える、または「辛くても今はそれが当たり前なんだ」という考えで我慢し続けている人もいるはずです。
これが、現在40代後半以上の方々に子供の時から刷り込まれている日本の教育なのではないでしょうか。

昭和と言う時代に教育を受けた子供たちは、このような圧力の中で成長してきたのでは無いでしょうか?
そして、それが当たり前として社会や会社に残し、今までのやり方でも十分に通用すると考えているのであれば、そのツケを支払うのはあなたの部下や将来の息子娘になる可能性もあります。

そのためにも、当たり前のことへ疑問を抱き、本質的な部分でどうすることがあなたにとって正しいのかを考えていくことが本質に近づくために近道になります。

終身雇用&年功序列はネズミ講?

終身雇用&年功序列が成立する社会構造を考えてみます。

人口構成図

必ずではありませんが、基本的に経済はその国の人口に左右されることも多くあります。
そして、人口の構成として考えるのであれば、給与が比較的高い中高年層の比率が引く、構成図として富士山型であるのが最適だといえます。

そう考えると、以下の2つが終始雇用と年齢序列が成立するための最低条件とも考えることができます。

  • 人口構成として、給与の比較的高い中高年層の比率が低いこと。
     ※人口構成図が「富士型」であること。
  • 経済が成長期でインフレ基調であること。

ですが、今の時代とはどうでしょうか?

今の時代を表現するのであれば、以下のようになります。

  • 人口構成は、給与の比較的高い中高年層の比率が高い。
    ※人口構成図は少子高齢化により「つぼ型」。
  • 経済が成長期でデフレ。

終身雇用&年功序列が成立する条件とは真逆。
真逆の条件のままこれらの制度が続けば、永遠に回るネズミ講社会ともいえるのかもしれません。

インフレ基調のなかで優秀な人材を抱え込み、その対価となる給料の支払いを数十年後にできるわけですから、企業にとってはオイシイ話です。
このシステムこそが、日本の高度成長を支えた鍵だったわけです。

日本の役人は、そういった意味では天才と表現できるかもしれません。
日本の高度成長期に働いていた方々も、これに納得をして働かれていたわけですから問題は無いと思います。

しかし、時代は変わり、いまだに「終身雇用は日本企業の美徳だ」と発言をする古い考えのまま変化に追い付けていない経営層の人たちがいるのも事実では無いでしょうか?

終身雇用&年功序列が成立する中で「美徳」として成り立っていたのは、経営的な利点や国際競争の中で勝ち抜ける源泉があったということも忘れては行けないと思います。

日本ではこういった話になると本質と現実が乖離してしまう傾向が多いのでは注意が必要です。
その結果が、本質を見失い正しい答えが出せないと言うことになります。

ここであなたにも考えてもらいたいと思います。

「なぜ日本は高度成長できたのか」

あなたならどういった回答をしますか?日本では、「私達が頑張ってきたから今の日本があるんだ」という高齢者の発言を耳にすることも多くありますが、これが「日本人が努力して頑張ってきたからだ」という回答であれば、本質ではないはずです。

それでは、高度成長を「企業の上場」に置き換えて考えてみましょう。
そうすると、頑張ってきた会社が全て上場することができるでしょうか?

答えは「いいで」ですよね。

正しく努力し、本質を理解して結果を出してきた会社だけが上場できるはずです。

これは前途のような高齢者がいう「日本人が努力して頑張ってきたから」ということを否定しているのではありません。
ただ、良くなったのにはその次代背景や経済的要因、そしてそのチャンスをしっかりと理解していた人たちが「いたから」だということを理解しなければ、変わりゆく時代に取り残される結果になるはずです。

もう一例あげます。「なぜ日本は高度成長できたのか」その答えが「日本人が頑張ったから」。小学生の回答みたいですよね。

高度成長を「企業の上場」に置き換えてみます。頑張った企業が全部、上場できますか。そんなこと言ったら、日本のほとんどの企業は上場してますよね。「上場」も「高度成長」も“頑張った”以外にも理由があるんですよ、普通は。

状況を複雑にしすぎて身動きが取れなくなった日本人

状況を複雑にしすぎて身動きが取れなくなった日本人

日本人は本質のすり替えをしてしまう傾向が強い人種、と私は考えます。
というのも、極々当たり前のことが言えず、相手の顔色を伺いながら話していくうちに、本質を見失ってしまうことがあるからです、

これらの原因となっているのは日本の教育制度にある種の問題があるのでは無いかと思います。

そして、この教育制度が生み出したのが「場が丸くおさまる空気を読む力」です。
これを物語っているのは、毎年発表されるユーキャンの流行語大賞にノミネートされている言葉ではないでしょうか?

  • 2007年:「KY語」「消えた年金」
  • 2013年:「ブラック企業」
  • 2014年:「家事ハラ」
  • 2015年:「モラハラ」
  • 2017年:「忖度」
  • 2019年:「闇営業」

こういった言葉がノミネートされる背景には「複雑な構造」があります。
いわゆる「大人の事情」です。

当サイトでも時事問題等を時折書かせて頂いていますが、政府が起こしてきた痛ましい数々の事件がここ数年で明るみにで始めています。

これらの問題を深堀りすると、意見の縦割り制度が無いことが問題があるのだと思います。政治も企業も上からの指示が一歩通行となり「どんなムリでも聞く」「過剰サービス」といった要素が大きくなり過ぎているのでは無いかと思います。

そして、前途であったように部下に教えるべき上司や先輩は「それが当たり前」だと感じていることが問題です。
これは当然のことながら、出来上がっている流れや仕組みを変えるためには批判や嫌われることも考えなくてはいけません。

ただ、本来であれば「客観的」に判断し、「法律性」などに準拠して判断される内容がそうではなくなっていることが政治や大手企業にまで蔓延っています。

そしてこれには年功序列の高賃金体質も影響しているのでは無いかと私は考えています。
自身がその立場になってみると、会社的・社会的に良いポジションを捨てる可能性も発生するのですから、誰だってババを引きたくはないでしょう。そして、その状況を受け入れ続けている状況が日本では社風や伝統と呼ばれることもしばしばあります。

こうなれば、人口的な要因を度外視した冒頭の終身雇用&年功序列の話にループするわけです。

終身雇用や年功序列ではなく個人の力を養うのが先決

終身雇用や年功序列ではなく個人の力を養うのが先決

ここまでの内容では、私の恣意的な考えもあるかもしれません。ただ、将来がどのように変化していくのかが決まっていないからこそ、過去のやり方や制度、常識に当てはめて考えていると損をするのは自分自身になることだってあるはずです。

本質という部分では恐らく多くの人が何となく感じ取っていることもあるでしょうが、場の空気を乱したり、それが今まで当たり前であれば黙って従うのが大多数になっているのが今の日本でもあります。

当然、変えようと考える人もいるでしょうが、すぐに変わる事もなければいつ自分が損をする番になるのかは未知数です。

そうなれば、自然と諦めが入るのも納得でしょう。そして、この日本中で「言ってもムダ」と言う風潮が、本質を隠してしまっているのだと思います。
処方箋は、やはり自分自身で考えて行動していく力だけではなく、ある種のネズミ講でもある終身雇用や年功序列のような仕組みに頼らずに生きていけるやり方を見つけて養う事です。

昨今では、女性の社会進出も進んで社会は良い方向に向かっていますが、景気は回復せずに増税や年金支給額の減額など悩みを挙げればキリがないでしょう。

だからこそ、その代わりになる資産を形成する運用術や資産形成のための不動産など、資産を増やすための方法に注目が集まっています。もちろん、スキルアップや転職のために資格の取得で年収アップを狙う人だって増えています。

これからの将来の事は分からず、経済や日本全体がどのように変化していくのかは分かりません。特に新型コロナウイルスの感染拡大が広まってからは顕著なはずです。
なので、しっかりと将来を見据えた時にあなた自身が困らない、個人として社会で生きていける教養を身につけるようにしていきましょう。

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