コラム

新型コロナワクチンを打てるのはいつ?日本のウイルス対策が遅い理由

新型コロナワクチンを打てるのはいつ?日本のウイルス対策が遅い理由

新型コロナウイルスのワクチン接種が各国で本格化する中、日本の接種状況の遅れが際立っています。G7の中で、ワクチンの承認もっとも遅く、欧米から約2カ月遅れの2021年2月17日にやっと開始されました。

一般国民への接種がやっと本格的に始まりました。ただ、本日で5月も終わろうとしています。ワクチンが有効な期限は6ヶ月。もしも12月に出荷されているのであれば、6月に接種では手遅れどころか、せっかく仕入れたワクチンが使えなくなってしまう事態になることは意外と知られていません。

ワクチンが有効な期限
(引用:ファイザー社)

そして気になるのが、日本政府が強行しようとしているオリンピック。
平和の象徴と呼ばれるオリンピック開催国であるにもかかわらず、政策や対策も不十分で大規模な蔓延状態になると解説する専門家もいるほどですが、ここで日本が出遅れたさまざまな問題点を見ていき、今後の日本の行末を考えてみたいと思います。

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世界の接種状況から比較する日本の接種状況

以下は新型コロナウイルスの世界各国のワクチン接種状況(5月5日時点)のデータをになります。最も多いのはイスラエルで次いで英国とアラブです。イスラエルを除けば上位5国は10人に4人以上は接種している状況だと判断できます。

ワクチンを1回以上接種した人(人口に占める割合)
(引用:時事ドットコム

そして、ワクチンを1回以上接種した人の人口に占める割合から見ていけば、日本は22カ国の中で最下位の2.2%。一方G7の国々は日本の10〜20倍の人が新型コロナウイルスのワクチンを1回以上接種できていることが分かりますが、これは感染状況の少なさからくるてワクチンの配布優先順位の関係なのか、日本が後回しになっている可能性はなくありません。

ただ、オリンピックがあることを考慮すれば、これは日本に届くまでの政治的な力の弱さや、到着しても迅速にワクチンを接種することができないなにかしらの原因があると判断してもしかたがないはずです。

そして次は、もう少し詳細を見ていくため、新型コロナウイルスにおける摂取回数で見ていきたいと思います。

接種回数と接種済みのデータから見るワクチン対策済みの人

以下のワクチンの接種回数を見ていくと、日本は400万人に満たない回数しか接種していないことが分かります。また、接種人数は約100万人。
厚生労働省の調査によれば、医師 286,699人は、薬剤師 267,751人 です。そして、保健師 51,703人、助産師 30,130人 看護師 918,263人、准看護師 397,237人と、全体で見るとまだ医療従事者にもワクチンを接種しきれていないと分かります。

もちろん、上記以外にも医療従事者はいますので、日本のワクチン接種出来ている人の少なさがわかるはずです。

ワクチン接種回数(累計)
(引用:時事ドットコム
ワクチンの接種が完了した人(累計)
(引用:時事ドットコム

G7のワクチン接種回数の推移

また、以下はワクチン接種回数の推移になります。
米国は順調に接種している人が増えていることが分かります。また、他に国に関しても、緩やかですが上昇しているのが見て取れますが、他の国と比較しても日本は上昇しているのかが疑問なほど摂取回数が増えていないことが分かります。

東京五輪オリンピックがあることを考慮すればかなり危険な状態ですが、政府はこれで医療従事者をボランティアで集めようとしていることを考えれば、平和の祭典といわれるオリンピックで大きく日本に感染者が広がるシナリオを考える人もいるはずです。

G7のワクチン接種回数の推移
(引用:時事ドットコム

ワクチンの接種が5月末より開始

ワクチンの接種が5月末より開始

日本は世界から遅れながら、5月から一般の人(高齢者)への接種も始まりました。
特に感染拡大が最も大きい「東京」と「大阪」では、24日に始まったワクチン接種に「疾患があるため早めに打ちたかった」と、ワクチン接種を待ちわびる高齢者が多く集まったようです。

それでもネット予約も大変らしく、地方自治体の予約枠がいっぱいだと愚痴をこぼす人も多くいました。自治体に予約するよりも会場に直接訪れて待つほうがスムーズにいくこともお多いようで、ネット予約が早めに始まった一方で会場へ直接訪れたほうが早いと考える人の姿が会場にはいました。

しかし、ワクチン接種は2回受けることが重要になってきますが、大阪を含めて東京では、会場で感染が拡大しないためにも民間の看護師も加わったことでスムーズな接種が可能になっていますので、今後さらにワクチン接種は早く打てるようになるでしょう。

ただ、現状東京を含めて9都道府県で緊急事態宣言が出ていますが、政府は対策として10都道府県で6月の20日まで延長するように検討しています。

再三緊急事態宣言が発令されていますが、給付金や休業補償もなく、日本全体で緊急事態宣言に慣れてしまっている状況が続いているのも事実です。また、オリンピックを考慮して感染状況をあえて減らせるようにPCR検査数に押さえているという噂も出るほどです。

このように、日本では補償がない状況で緊急事態宣言が繰り返し発生し、ワクチン接種も遅れているのが現状です。それでもオリンピックの開催には積極的な発言が見られる日本政府とIOCに、日本全体で経済的な疲労が出てしまうのも無理はないはずです。

それでは、なぜこのような甘い対策や不十分な補償、ワクチン接種の遅れなどが発生するのか?その要因として国を率いるトップの考えや行動も無関係とはいえないでしょう。

国を率いるトップの違いで生まれる差

国を引き入るリーダーの違い

「コロナ危機」を乗り切るにはワクチンが必須と判断した世界各国の動きは早かく、特にアメリカでは2020年12月14日に接種を開始しています。

バイデン大統領はその1週間後に接種を受けて、安全性をアピールしていますし、英王室では1月9日にエリザベス女王夫妻がワクチン接種を受けたことを発表しています。

国のトップがワクチンを接種するのは当然ですが、安全性を自ら主張するのですから、国民はさらに安心してワクチンを打とうとするのも納得です。

このほか、1月前半までにドイツ・イタリア・ロシア・インド・インドネシアなど世界各国でワクチン接種は開始されていました。

しかし、日本の菅総理大臣は国内接種開始から1ヶ月後の3月16日に接種。

この接種の目的はバイデン大統領との首脳会談に備えるためとされています。もちろん、これは邪推かもしれませんが、今までの政治対応や政策の遅れから、オリンピックの強行などを見ていくと、そう見られても仕方がないような雰囲気が日本全体であっても無理はないかもしれません。

日本がワクチン接種に出遅れた理由3つの理由

日本がワクチン接種に出遅れた理由3つの理由

ここまで日本の新型コロナウイルスにおける接種数や割合を解説しましたが、実際に接種区が遅れている要因はなんなのでしょうか。

次は、データで比較してもかなり遅れている日本のワクチン接種が遅れている理由についてを追求していきたいと思います。

メディアによって過剰に反応してしまった副作用

ワクチンの接種で感染症の発生や重症化を防ぐ免疫ができますが、好ましくない有害な反応の「副反応」が起きることがあります。
これはアナフィラキシー反応と呼ばれるものであり、特別新型コロナウイルスのワクチンに関してだけではなく、一般的に日本で出回っている薬でも起きるうるものです。

また、アナフィラキシー反応以外にも軽いものとして接種後に筋肉痛、頭痛、倦怠(けんたい)感などがあるという報告もあります。

あなたもテレビやネットニュースなどでワクチンを接種した人がアナフィラキシー反応を起こしたという内容を見たことがないでしょうか。

今は日本中が新型コロナウイルスで経済的にも生活的にも窮屈な状況です。待ちに待ったワクチンですが、メディアに副作用が強調されたように放送されれば不安になる人が多いのも当然です。

ただ、アナフィラキシー反応や副作用に関しては非常に稀という割合ですが、極端に不安を煽るような内容に一部批判もありました。
それでもテレビなどの影響は強いのか、ワクチンについて奥手になってしまった人が増えたのも事実です。

開発できる製薬企業やベンチャー企業が日本に少ない

新型コロナウイルスの全遺伝子配列が20年1月には公表されていたので、米英の製薬大手が早くも試験用ワクチンの生産に着手。
特に米国は100億ドル(約1兆400億円)の予算をワクチン関連に投入し、短期間で大量に合成できるウイルスの遺伝物質を使った新技術でスピード開発を進めました。

しかし、日本では新型コロナウイルス感染症などの新興感染症に関して、医療分野の研究開発関連の調整費、第1次補正予算などで合計835億円。第2次補正予算案で、新型コロナウイルス感染症対策に関する研究開発に対して609億円を計上としており、合計で1,444億円とアメリカの7分の1程度。

予算的にも十分に研究や検証をする資金が足りず、米国に遅れを取っています。また、米国だけではなく、他の国に対しても同様です。
日本では、オリンピックの開催に多大な資金を投入していますが、その他の部分に予算を割くことに消極的で、最終的に米国のワクチンに頼らざる得ない状況になっています。

また、医療従事者に頼り切りの現状を含めて、無理を強いてしまっていることを考えれば、医療分野で世界的にトップといえど人間のほうがや人手不足で体調を崩してしまう可能性が高くなります。

支援が不十分といえば簡単ですが、一度切りの支援や低予算での研究費用では無理を強いることになるのはいうまでもありません。

どれだけ優秀な人でも睡眠不足や疲れてしまえばミスや不満は溜まりますし、十分な支援がえられないままでは、日本の優れた医療体制も崩壊するのも時間の問題だといえるはずです。

事実、大阪では感染者の増加をうけて医療崩壊などかなり深刻な事態になっています。資金だけではなく、知事の責任も関係しているかもしれませんが、それでも各自治体に支持や体制を丸投げでは、限界が生じるのも当然です。

新薬開発における治験体制の弱さ

日本は50年ほど前まではワクチンの研究や製造が盛んでしたが、その後は少子高齢化が進み接種対象者が減ったこともあり、世界的にワクチンなどの新薬では遅れをとっています。
また、接種をめぐる訴訟も続いたため、ワクチン業界が衰退していってしまったのも原因の1つです。副作用というのは必ず一定数起きますが、危険が極端に少なくとも「問題」が発生してしまえば過度に反応してしまうことが日本では多くあります。

ワクチンに一定数ある「アナフィラキシー反応」は医療の現場では常識ですが、過度に国民が反応して接種を拒む人が増えたのもある意味で日本人らしい国民性ですが、危険を煽るようなメディアも要因の1つとなっています。

特に感染症は突然流行し、製薬企業がワクチンを開発して実用化できるまでに流行が終息してしまうこともあるため、感染症ワクチンを手掛ける企業がどんどん少なくなってしまったということもあります。
こうして国内使用の半分以上は輸入ワクチンとなり、新型コロナワクチンも皆さんもご存知の通り外国企業頼みとなっているのが現状です。

今回の新型コロナ以外にも難病と呼ばれるものはありますが、現状として日本では新薬があまり進んでいないのがワクチン接種や接種の遅れている1つの原因となっています。

ノーベル賞受賞した世界的な4氏が声明

ノーベル賞受賞した世界的な4氏が声明

世界的に新型コロナウイルスは世界的に有名な医者や教授などの専門家が将来を展望していますが、それだけではなくノーベル賞を受賞した4名も以下のような4つの危惧と対策方法を公表しています。

  • 医療機関と医療従事者への支援拡充による医療崩壊防止
  • PCR検査能力の大幅な拡充と無症候感染者の隔離強化
  • ワクチンや治療薬の審査・承認の迅速化
  • ワクチンや治療薬の開発に不可欠な産学連携への支援強化
  • 科学者の勧告を政策に反映できる長期的展望に立った制度の確立

特に話題に挙がった理由というのは、それぞれ4名が医学や生理学に専門にしている人物であり、専門家のなかでもノーベル賞を受賞するほどの権威だということです。

医療機関や充実者への支援というのは重要ですが、コロナ感染状況によっては家族を守るために看護師が辞めてしまったり、ベット数自体が足りなくなってしまうことは現実的な話です。

また、もう少し早ければ助けられる命もあるなかで、政治家の怠慢な行動で迅速なワクチン開発や審査の承認に時間をかけてしまっては人災になってしまうことも充分にあるでしょう。

それぞれ専門家ということを踏まえ、科学的に政策を考えることは重要になるのは素人にも分かることですが、現実問題として政治は経済やオリンピックを優先してしまっている状況は多くの人が知っていることのはずです。

国に人生を預けては行けない。自立することが重要。

国に人生を預けては行けない。自立することが重要。

新型コロナウイルスという、誰にも予測できない新型のウイルスが世界中に蔓延することは数年前までは誰も予測できなかったことのはずです。
ただ、コロナウイルスが蔓延し始めてからというもの、政治的な対応の遅さや身勝手ともいえる政治家の行動が問題になることが多く、話題に事欠かない時期ともいえます。

それでも国にすべてを任せなければウイルスに対抗することができないということも事実です。代表例がワクチンや経済的な支援になりますが、ワクチンはいうまでもなく政府が迅速な対応で接種できる状況や医療体制を整え直す必要が発生します。

しかし、ファイザー社の報告では、新型コロナのワクチンは有効期限が6ヶ月という発表もされており、2月に日本に届いたものが12月に製造されていれば6月末で期限が切れ、オリンピックに間に合わない可能性が高くなります。

5月6日時点では1日に30万人が接種されていると分かっていますが、政府が強行するつもりのオリンピックも、より新型コロナが蔓延する可能性やワクチンでの接種が間に合わずに日本に影響が大きくなれば、より経済的に厳しい状態になる人も増えるかもしれません。

現在、発令中の3回目の緊急事態宣言は28日に延長が決定し6月20日までとなりました。国民も緊急事態宣言に慣れて感染者が減らない状態になってしまえば、飲食店を中心に日本全体で経済に与える影響が増えることは容易に想像できます。

そうなったときに考えるべきことは、今得ている収入を含めて安定した収入があったとしても、自立できるような別の収入口を作っておくことが経済的に将来大きく役に立ちます。

10万円の特別給付金を含めて、政府は経済的な支援は非常に遅い傾向があります。そのため、今後の経済や将来の自身のことを考えて、今から経済的な独立も目指す必要があるかもしれません。

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