コラム

上がり続ける消費税!増税の流れと今後の展望はおよび対策法を解説

「消費税が上がって生活が苦しい」「どうして消費税ってみんな同じ税率なの?」あなたは、消費税について気になった経験はありませんか。「消費税の税率が上がる前に駆け込みで高い買い物をしてしまった」、「税率が上がってしまい買い物の意欲がなくなった」という人もいるでしょう。

消費税増税は今回では終わらず、これからも上がり続ける可能性があります。この記事では、「消費税」について法律ができた当初から増税の流れと今後の展望について紹介し、対策方法はあるのかお伝えします。

Contents

消費税とは?「購入」にかかる税金

消費税とは?

消費税は、「消費税法」として1989年に始まりました。消費税とは商品の販売やサービスの提供に対し、公平にかかる税金です。消費税を受け取った販売店が消費者の代わりに国税庁に支払います。2019年現在の消費税率は、購入した商品やサービスに10%、自宅や屋外へ持ち帰る食料品に8%が課せられています。

なぜ消費税ができたの?「不平等」「少子高齢化」対策で

不平等

消費税ができた理由として、その当時の日本は以下の問題を抱えており解決の必要がありました。

・ 少子高齢化対策
・高所得者と低所得者の不平等解消
・ 間接税の仕組みの整理

少子高齢化対策

消費税が導入される前から、今も課題になっている少子高齢化の問題が指摘されていました。年金や医療福祉にかかる財源負担に目途を立てるために、給与所得の大小で現役労働者から徴収するシステムを変える必要があったのです。

高所得者と低所得者の不平等解消

高所得者と低所得者による所得税の課税の差を埋めなければならない問題があります。高所得者ばかりに税の負担を押し付けるのではなく、他の税制、社会保障を含めた観点で皆が平等となる制度を必要としているのです。

間接税の仕組みの整理

上記の2つの問題に加えて、当時は「間接税」の整理が急務とされていました。当時の日本は商品やサービスに個別で税金がかけられ、間接税以外に「物品税」と呼ばれる贅沢品にかけられる課税方法を採用。

国民の生活基準が向上するにつれ贅沢品であるかどうかの判断が難しくなり、サービスよりも商品に税金負担がかかっていた状況を、消費税の導入で不平等を無くす狙いがあったのです。

実際は何の問題も解決をしていない

消費税を導入することによって、少子高齢化の財源にあてる、所得に比例して支払うことで不平等にならないようにする、一律に物・サービスに同一の税を課すことで不平等をなくす、という3つの狙いはすべてうまく機能していないのが現実なのに、ますます消費税を上げようとしているのが日本政府です。

更に上がる可能性も? 消費税開始から増税までの歴史

消費税開始から増税までの歴史

1989年の消費税法制定以降、消費税は3度の増税が実施されています。

・1989年4月1日以降:税率3%(国税3%)
・1997年4月1日以降:税率5%(国税4%+地方税1%)
・2014年4月1日以降:税率8%(国税6.3%+地方税1.7%)
・2019年10月1日以降:標準税率 10%(国税7.8%+地方税2.2%)、軽減税率 8%(国税6.3%+地方税1.7%)

消費税の話をすると政権が交代する歴史

1979年の大平正芳内閣で、当時財政赤字に苦しんでいた日本を改善するべく消費税導入の議論が始まります。中曽根康弘内閣の期間も含めて10年間も導入について賛成反対の攻防が続いたのです。1989年の竹下登内閣の下、国税3%分の消費税課税が始まります。

1994年の細川護熙による連立内閣では、消費税の廃止と「国民福祉税」構想を発案。しかしすぐに立ち消えとなり、連立内閣は短命に終わります。細川から引き継いだ村山富市内閣で税制改革の法律が成立し、1997年の橋本龍太郎内閣で消費税が5%へ増税。その後、経済が失速。橋本は死ぬまで消費税を上げたことを悔いていたといいます。その後15年間、消費税5%が継続されました。

2009年に消費税の引き上げをしないと掲げた民主党が衆議院選挙に勝利。鳩山由紀夫内閣が発足するも、間もなく菅直人内閣に交代したタイミングで「消費税10%」を打ち出します。
2012年、野田佳彦内閣によって消費税を10%へ引き上げる法案が成立。しかし、内閣を解散させた民主党が衆議院選挙で敗れ、自民党が与党となります。安倍晋三内閣に交代し2014年に8%へ増税された後、10%への増税については延期が続きました。そして、2019年10月に現在の税率引き上げが実行されたのです。

15%、20%へ増税も?

2019年11月にIMF(国際通貨基金)による日本に対する「年次審査」で、「消費税率を2030年まで15%、2050年までに20%」と段階的に引き上げが必要と明らかにされました。今後、更なる消費税増税の可能性があります。

上がり続ける消費税への対策法は?

消費税への対策法は?

2030年には15%まで上がる可能性のある、消費税への対策法はあるのでしょうか。

今すぐできる対策方法が以下の3つです。
・「ポイント還元」を活用する
・「軽減税率」を活用して家計を見直す
・貯蓄を増やし、資産運用を始める

「ポイント還元」を活用する

国が実施している「ポイント還元」を活用しましょう。対象の店舗で商品やサービスの代金を現金払い以外の方法で支払うと、金額に応じて2%、もしくは5%のポイント還元が受けられる仕組みです。

「軽減税率」を活用して家計を見直す

一部食料品の購入に対する「軽減税率」を活用し家計を見直しましょう。10%への税率引き上げの際に、「軽減税率」の制度が初めて採用されています。「外食」「酒」を除いた飲料、食料品と新聞の消費税率を8%とする制度です。

例えば、「外食」を「テイクアウト」に切り替えるとします。外食は「軽減税率」の対象外ですが、「テイクアウト」で屋外や自宅へ持ち帰れば「軽減税率」の対象となります。

貯蓄を増やし、資産運用を始める

一番効果があるのが資産運用です。貯蓄で当面使う予定がない金額を充てて、個人型確定拠出年金やNISA、少額からできる株式投資サービスを利用してみましょう。20年から40年の長期視野で運用するならば普通預金で預けたままの場合よりも2倍になる可能性があるのです。運用による利益が、貯蓄の増加に貢献し老後の生活対策に繋がります。また、それほど長期間預けなくても複利で増える案件もあります。知らないのは情報を取りに行ってないだけなのかもしれません。

まとめ

まとめ

消費税の増税は、毎回消費行動に影響を与えてきました。
今後更に進む少子高齢化への対策、社会保障制度の維持に必要で、2030年に税率が15%になっていても不思議ではないでしょう。「ポイント還元」「軽減税率の活用」「資産運用の開始」と今すぐ始められる増税対策は複数考えられます。今後益々上がる消費税に立ち向かうには、自ら知識を増やし対抗できる力を身に付けるしか方法はありません。

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