コラム

ミジメな老後を迎えないための退職金の使い方

ミジメな老後

「老後にみじめな生活を送りたくない」そう思う人は少なくありません。しかし、「みじめな生活を送らないようにするために支出を減らす」ことを具体的にやるという話になると、急に態度を硬化。「難しい」「それは無理」ということを言い出す人が増え、話が進まなくなります。資産を作っていく上で、根底となるのは支出の削減です。そこで、今回はお金が貯まらない人の特徴を解説していきます。

Contents

資産形成の根底は支出の削減

支出の削減

みじめにならない生活のためには、必要な老後の資金を計算し、そのための貯蓄を行っていく必要があります。投資をするためにも、貯蓄がないと進みません。そのためには支出を削る必要がでてくるのですが、消費を我慢できない人がでてきます。

周りからみれば、問題は「支出が突出していていること」と分かっていても、本人からすると支出を抑えることは無理と思う人が一定数いるのです。このような人たちは、購入するときは「これが必要」と思っているので、自分にとっては必要な物しか買っていないと思っています。そのため、贅沢をしていないのにお金が貯まらないと思っているのです。

退職金をご褒美だと勘違いして使ってしまう

ご褒美だと勘違い

定年を迎えた後は、公的年金だけでは不足になりやすく、多くの人の場合、貯蓄の取り崩しを行う必要があります。勘違いしやすいのですが、退職金は取り崩し用として準備をしておくものであり、お祝い金ではありません。

平成25年に厚生労働省が発表した「就労条件総合調査の概要」によると、20年以上勤め、45歳以上の退職者が定年で貰った退職金は、大学卒(管理・事務・技術職)で1,941万円。仮に60歳で退職金をもらい、男性の平均寿命である81歳に近い、80歳までの20年間を取り崩した場合、毎月約8.3万円となります。公的年金は、会社員の場合もらえる厚生年金は平均14万円。国民年金が約6.5万円。合計で20.5万円となり、生活費を補うためには退職金を取り崩していかないと難しいことがわかります。

※老後の最低日常生活費については以下の記事を参考にしてみてください。

ところが、多くの人は退職金が入ってしまうと大金が入ったことに気持ちが高揚してしまい、家族で豪華な旅行に出かけたり、前から欲しかったものをにお金を使ってしまうようです。

20年間の取り崩し分と考えれば、簡単には使えないお金だと分かるはずなのですが、お金が自由に使えることに意義を感じる傾向が強い人は、どうしても使ってしまいます。

住宅ローンも、この機会に一気に返済してしまおうと考える人も少なくありません。そうなると、退職金のほとんどをローンの返済に使ってしまって、実際年金生活が始まったときには、一切退職金が残っておらず、老後のお金がないという事態にもなりかねます。

年金生活になってから、生活費が足りなくなったら働いて補うのでしょうか?80代になっても働けるものでしょうか。そもそも働く場所はあるでしょうか。キャッシングで一時しのぎをしたとしても、住宅ローンよりも高い金利なのは間違いないですし、返済をするのも難しくなってきます。

当てにできない退職金と年金

当てにできない退職金

さきほどあげた退職金と年金の金額は現在の数字です。あなたが実際に定年を迎える頃、この数字よりも貰えない可能性が高いということに気づいている人は少ないです。年金は今後減る可能性が高いと考えたほうが現実的ですし、退職金も減っていく可能性は高いといえます。

前述した厚生労働省の調査によると、平成25年の退職金は1,941万円なのですが、平成15年は2,499万円です。つまり、10年で退職金が平均で500万円も減少しているのです。終身雇用制度がどんどん破壊されている今、退職金を上げる要素は見つけづらいのが現状です。

伸び続ける平均寿命

伸び続ける平均寿命

平均寿命は男性が81歳と前述しましたが、20代•30代が寿命を迎える頃には寿命はもっと伸びそうです。試算では、現在の50代の男性ですら2人に1人は90歳まで、女性にいたっては100歳まで生きると言われています。この乖離はなぜ生まれるのでしょうか?

まず、医療技術の進歩が上げられます。日々発達していく進歩によって私たちは簡単に死ねなくなります。そしてもうひとつが平均寿命の計算方法です。平均寿命は文字どおり「平均」なのですが、この母数には死亡数が多い乳幼児も含まれます。この文章を読んでいる私たちは乳幼児の期間を生きながらえています。現在生きている人だけに絞ってみてみると、実際の寿命は平均寿命よりも生きる事になるのです。

1984年生まれの男性の場合、50%以上が94.7歳まで、25%以上が100.7歳まで生きると考えられています。同じ1984年生まれの女性の50%以上が101.4歳、25%以上が106.4歳となっており、現在の20代〜30代の方は100歳まで生きる事を前提として考えた方が良さそうです。

そのようにして考えた場合、定年を迎える年齢が今より伸びて70歳になった場合ですら、残り30年間の費用を工面しないといけなくなります。

節約できない人の特徴

節約できない人

・支出を把握できない

・「とりあえず・・」「なんとなく・・」で支出をしてしまう

・月額サービスを使いすぎる

・少し高くても良いものが好き

・とにかくまとめ買いをしてしまう

・ポイントに振り回される

・ボーナスや分割払いに依存している

・生活用と貯金用のお金を分けていない

・節約術を学んでも身についていない

・新品にこだわりすぎる

・毎日スーパーに行ってしまう

・コンビニに意味もなく立ち寄ってしまう

・流行り物には目がない

・特売品だと必要がないのに買ってしまう

・収入が少なすぎる

お金が貯まらないと嘆いている本人が気づかない、気づいてもついやってしまう人にはこのような特徴があげられます。自分では分かっていてもなかなか修正ができず、本当に危険な状況になったときに始めて人に相談する人も多いと言います。自分が気づいたときにはもう手遅れという自体になってもおかしくありません。

体力も気力もなくなってしまったときに気づいてしまっても、もう現実を変える力もなく絶望だけが残ってしまうということも考えられます。

頼れるものは自分の資産だけになったときに耐えられるのか

このように、退職金•年金の減少および、高寿命化になったとしてもあなたの資産は耐えうるほどのものなのかということを一度考えてみてはどうでしょうか?

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