7/5、2020年東京都知事選挙が行われました。みなさんの中にも投票しに行った人もいるでしょう。
結果、得票数59.7%で小池現都知事の圧勝となりました。
しかし、今回は小池都知事ではなく、得票率では3位になったれいわ新撰組の山本太郎氏に注目します。山本太郎氏はかねてより消費税の廃止を訴え続けている方です。
それを聞くと、「たしかに消費税がなくなったら生活は楽になるけど、政府の財源がなくなってしまうのでは?」と思う人も多いのではないでしょうか。もしそのように考えた方は、メディアの間違った情報に踊らされている可能性が高いです。
実は、山本太郎氏が消費税を廃止しても問題と主張する背景には、経済評論家の三橋 貴明さんも支持する『MMT理論』というものがあります。
このMMT理論はアメリカで提唱され、その後日本でも話題になりました。
そして、MMT理論の内容が消費税廃止を実行しても本当は日本政府は困らないことを証明しているのです。
そこでこの記事では、MMT理論とは何か解説し、日本の行く末が危険であることをお伝えします。MMT理論を理解して、今の日本が間違った方向に進んでいると認識できるようになっていただければと思います。
Contents
山本太郎が消費税廃止の裏付けにする『MMT理論』とは
山本太郎氏が消費税廃止を主張している基になっている『MMT理論』の内容をまとめると、次の3要素になります。
- ①自国通貨を持つ政府は財政的な予算制約に直面しない
- ②全ての経済は生産と需要について実物的あるいは環境的な限界がある
- ③政府の赤字はその他の経済主体の黒字である
上記だけでは何のことだか分かりづらいと思います。それぞれ分かりやすく解説します。
自国通貨を持つ政府は財政的な予算制約に直面しない
これを簡単にいうと、自分の国の通貨だけでやりくりしている政府はいくら借金をしても破綻しないということです。
自国通貨のみでやりくりできているということは、日本国内にあるお金で政府は賄えているということを意味します。なので政府が借金して使ったお金は結局は日本国内に流れ、また政府に戻ってくるわけです。
自国通貨を持つ政府であれば、理論上破綻は考えられないと言うことです。財務省も以下のように述べています。
(1)日・米など先進国の自国通貨建て国債のデフォルトは考えられない。デフォルトとして如何なる事態を想定しているのか。
全ての経済は生産と需要について実物的あるいは環境的な限界がある
とはいえ、いくらでも借金してお金を使っていいのかというとそうではないとMMT理論では説いています。それが見出しの考え方です。
これを簡単にいうと、経済には需要と供給があり、それには限界があるということです。
例えば、100兆円を政府が借金して民間にお金を渡したとしても、民間側はそれに見合うほどの供給能力をいきなり発揮するのはさすがにできません。しかも、一過性のものだと思われて、投資に回ることも考えづらいでしょう。
このように経済は生産と需要の上で限界があるというわけです。
政府の赤字はその他の経済主体の黒字である
これは分かりやすく言い換えると、政府が借金しお金を使えばそれ以外は儲かるということを意味しています。
よくよく考えたら当たり前ですよね。政府が借金しお金を支出すれば、そのお金は誰かの収入になるのです。
つまり、政府が借りたお金を使えば、民間(=私たち)が潤います。
その証拠として、以下のグラフは家計の預金と国債・財投債の推移です。分かりやすいように、国債・財投債はマイナス表記となっております。
借金で破綻するといわれ続ける日本が破綻しない理由
ここまでのMMT理論の内容を理解すると、今まで日本国内で言われていたことに疑問を覚え始めます。
その一つが、「政府は多額の借金をしているから、このままだと破綻してしまう」ということです。しかし、日本政府は次の図のようにほぼ日本の投資主体から、特に日銀からしか円建ての借金をしていないため、MMT理論の①でいうように破綻は考えられません。
政府が借金で危ないとテレビや新聞で取りだたされるのは、ひとえに政府の有利な政策を押し通そうとしているからに過ぎないのです。
むしろ政府が借金すれば、私たちのお金は増える皮肉
実は、むしろ政府は積極的に借金をしてくれた方が私たちにとっては嬉しいのです。なぜならMMT理論の③のように、政府の赤字は私たち民間の黒字になるからです。
政府が借金をすると、どのような流れで私たちが潤うのかを示したのが先ほども出した以下の図になります。
上記の流れを説明すると、次の通りです。
① 日本政府が国債を発行して、日銀当座預金を借りる
② 政府は民間企業に政府小切手を渡し、モノやサービスを生産してもらう
③ 民間企業は政府小切手を銀行に持っていき、銀行預金に変えてもらう
④ 銀行預金を私たちに分配する
⑤ 政府小切手を受け取った銀行は日銀から日銀当座預金に交換する
このように政府が日銀から借りたお金は巡り巡って、私たちの手元に届くわけです。その金額が増えれば、当然私たちが持つお金も増えますよね。そして、そのお金を私たちが消費すれば、経済が回っていきます。
つまり、私たちは政府が借金をしてどんどんお金を投入してくれることを喜び、同時にお金を使っていくべきなのです。それに伴って、政府はコロナや人手不足で悪化している景気対策のためにお金を注入するのが必要になります。
緊縮財政と増税で国民を貧乏にしようとする日本政府
しかし、今の日本は真逆の道を辿っているのです。
その代表的な政策が『緊縮財政』になります。
緊縮財政とは、政府の借り入れを減らしたり増税をすることによって政府の支出を減らすことです。安倍政権がプライマリーバランスの黒字化を提言したり、消費税の増税が行われたように、まさに今の日本が進んでいます。
しかし、これをMMT理論に当てはめると、私たちが貧乏になる道をあえて選択しているようにしか見えません。
まず政府の借り入れを減らしていく方向性に向かった場合。そうなれば私たちの手元にくるお金は減っていきます。景気が良くてインフレが加速しているのであれば問題ありませんが、今はそうとはいえません。
さらに、増税が追い打ちをかけます。増税はシンプルに私たちの支払うお金が増えるということなので、私たちが赤字です。
このように今の政府の方針は、緊縮財政で私たちを貧乏にしようとしているといえます。
にも関わらず、メディアはそれを肯定し、緊縮財政を正として報道しているのは本当に正しいのでしょうか?
現在、コロナ禍の中で増税をしているのは日本だけです。
このまま私たちが貧乏になっていくことに対して、日本政府は何も思わないのでしょうか。
国の政策はあてにならない!自分の身は自分で守るべき
山本太郎氏が消費税廃止を説いている背景の『MMT理論』は次の3つの要素から成り立っています。
- ①自国通貨を持つ政府は財政的な予算制約に直面しない
- ②全ての経済は生産と需要について実物的あるいは環境的な限界がある
- ③政府の赤字はその他の経済主体の黒字である
この理論は非常に合理的なのですが、今の日本はその逆の方向に進んでデフレになっていく予想がされます。そのせいでこのままでは、私たちはいずれ貧しい暮らしを余儀なくされるでしょう。
しかし、メディアはそんなことは一切教えてくれません。
なので、貧しい暮らしを避けたいのであれば、自分たちで自分の生活を守れる知識と力を持つ努力が大切です。
そのために私たちができることの例を挙げると、選挙に参加して自分の意思を伝えてくれる人への投票があります。実は日本の選挙の投票率はとても低いのを知っていますか?
以下がOECD諸国の国の政治に関わる選挙の投票率をまとめたデータになります。
左から投票率が高く、日本は下から8番目です。
ちなみに、今回の2020東京都知事選挙の投票率は55%でした。もし残りの45%の人々が深く考えて自分の意見を持ち、投票するという行動に出れば、トップが変わることだってありえます。
また、2017年に行われた第48回衆議院議員総選挙では53.68%の得票率であることから、政府を改革する力だって私たちにはあるのです。一人一人が自分の意思を持って、主張することが非常に大切になります。
他にも、資産運用を始めるなど、生活を良くするためにできる努力は多いです。
これからは国に頼ることなく、絶えず行動して自分の身を守れるように行動していってください。
⬇️この記事で『少しでも得るものがあった方』は、バナーをクリックお願いします。ブログを書く励みになります。にほんブログ村
全般ランキング