コラム

高所得者でも平均貯蓄額が低いという現実

老後がだんだんイメージしやすくなる50代。海外ではリタイヤ組としても認識される年代ですが、日本ではまだまだ子供の養育費などの負担にあえいでいる年齢でもあります。そんな50代の平均貯蓄額はどれほどのものなのでしょうか。金融広報調査委員会の調査によると、2016年の50代の平均貯蓄額は1128万円。金融庁が老後に2000万円必要と提示したわけですが、実際は足りない人が続出なのが現状なのです。そこで今回は50代の貯蓄状況をお伝えしていきます。

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50代の悩みは多岐にわたる

50代の悩み

今から20年ほど前であれば、子供が独立する50代が最後の貯め時と言われてきました。しかし、晩婚化が進み子供の自立が遅れ、親の介護が必要になってきている現代の50代からすると、けっして安易に貯める事ができる世代ではなくなってきています。収入が頭打ちになりがらも、教育費など高額な支出が続きます。頭打ち程度であればいいのですが、50代はリストラになりやすい世代です。また倒産も増えており、いつ収入が途切れるかわかりません。50代は不安定な世代なのですが、子供と親、両方を見なければならないのです。

年収1000万円でも貯蓄は1000万ほどしかない

貯蓄は1000万

前述した金融広報調査委員会の調査によると50代の平均貯蓄額は、2014年に1124万円、2015年に1325万円、2016年に1128万円です。調査した世帯全体の中央値は、408万、501万、500万となっています。一部の持っている人のために平均貯蓄額が実際の数値よりも大きく見えている節がありますので、実際の50代の大部分は、それほど貯蓄をしていないと読み取れます。

また2016年度の調査によると、年収1000万円から1200万円未満の世帯でも中央値が1075万円しかありません。貯蓄ゼロの割合も17.9%と非常に高く、必ずしも収入があるからといって、貯蓄も多いというわけでもないようです。

現代の50代はお金を貯める事も難しい

消費税も10%に値上げされましたが、その理由として上げられているのが社会保障の充実です。高齢化がどんどん進み、国も現役世代も社会保障の負担が重くなっていきます。高齢者が増えるという事は国内での消費が落ち込み、経済力も低下していきます。

経済力が低下していけば、企業も収益を確保する事が難しくなり、給料も減っていきます。一方、最低雇用賃金は上がりますので、そのしわ寄せは正社員にきます。その中でも給与の負担が大きい50代に直撃します。このような推移を考えると、今後の50代はお金を貯めることが難しい世代になってきていると考えられます。

生涯賃金も減少

生涯賃金も減少

生涯賃金も減少しています。労働政策研究•研究機構による「ユースフル労働統計」によると、生涯賃金が1997年頃までは約2億9000万円でしたが、その後減少。2016年には約2億6000万円となり、約20年間で3000万円ほど低下しました。女性も同じように約2億3000万円から約2億円に減少しています。

これが手取りとなると、もっと減少している事になります。まず上げられるのが、社会保険料の増大です。会社負担も含めると現在は30%を超えてしまいました。個人も会社も負担が同率で増えていきますので、双方が疲弊していきます。

かつては、夫が外で働き、妻が専業主婦として家を守るのが良しとされてきました。この前提は給与がどんどん上がっていき、老後もそれなりに貯蓄にまわせるという認識があったからです。現代において、この認識では難しくなっていくでしょう。なぜなら、夫だけが働く場合は以前に比べて世帯収入が少なくなる可能性があるからです。

過去のライフスタイルの象徴であった、マイホームを購入し、子供を育て、老後も安心するということがどんどん難しくなっているのです。

生涯所得減少分は共働きでカバーするのも一つの方法

共働きでカバー

かつてのように、夫だけが働くという世帯は、何かあったときに対応できません。急なリストラや病気などによる退職なども現実的に起こりえる事でもあります。そのときにフルタイムのパートナーがいる事で、リスクヘッジになりますし、心の安定を維持しやすくもなります。

しかし、これですら現行の年金制度が維持できていればの話です。2019年度になり、金融庁は「老後2000万円問題」を提起しました。老後を過ごすためには自分たちで2000万円を用意する必要があると言われる報告書です。

私たちの平均寿命は上がり続けており、100歳まで生きる事が現実的になってきました。その一方、年金の減少も避けて通れなくなりそうです。国の社会保障費はどんどん増えていき、財政的にどんどん厳しくもなっていくでしょう。となると、2000万円ではとても足りなくなります。共働きは、収入を増やす一つの方法ではありますが、それ以外も考えていかなければならないでしょう。

収入上がらないし、貯金は増えていない

貯金は増えていない

50代であれば、あと10〜20年経過すれば、定年を迎えます。しかし、平均の貯蓄額は1000万程度。これでは足りません。

定年を過ぎてからも働き続けるのでしょうか。仕事があったとしても、収入は落ちていくでしょう。身体も動かなくなってきます。70代、80代、90代の人たちが働く社会が来るかもしれませんが、高齢者の比率が増えていく将来の日本では、高齢者の労働者市場は安く買い叩かれるのが関の山です。

そうならないようにするためにも、いまからお金に関する学びを増やしていく必要があります。歳を重ねれば重ねるほど、対応が難しくなります。お金を貯めるためにはどうしたらいいのか。どのようにしてお金を増やしていけばいいのか。そのようなことは先人たちの知恵が役に立ちます。古くからお金に対して明晰な人は古今東西うまくいっているのです。

人と同じ程度を稼ぐどころか、1000万円稼いでいる人ですら、平均貯蓄額は必要とされている老後資金の半分程度。時間はあるようで、ありません。ぜひお金について学んでいただきたいと思います。

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