職業選択時や老後の資産形成を行う際に参考にしたい項目の1つに「生涯給料」と言うものがあります。
20代や30代といった若い時には、生活にあまりお金が掛からなくとも、結婚して子供が生まれれば支出はどんどん右肩上がりです。
特に小さいうちはいいですが、ある程度子供が育ってくると高校や大学で教育資金も大きく変化するでしょうし、塾などの習い事にかかるお金も年単位では馬鹿にできません。
そして、「人生100年時代」と言われる中、老後の生活費を作っておくことが大切さだと2019年6月金融庁が公表した報告書の「老後2,000万円問題」で明らかとなっています。
こういった将来の生活のためにも、できるだけお金は若い現役世代に稼いでおきたいと言う方々は増えていると思いますので、今回は「生涯給料」にスポットライトを当ててお話していきたいと思います。
Contents
日本人の平均的な生涯給料はどのくらい?
まず、日本人の平均的な生涯給料を見ていこうと思います。
独立行政法人「労働政策研究・研修機構」が発表している「ユースフル労働統計」の2020年版によれば、学校卒業後フルタイムの正社員を続けた場合の 60 歳までの生涯賃金(退職金を含めない)は、学歴別・性別で以下の通りとなっています。
最終学歴 |
中学卒 |
高校卒 |
高専・短大卒 |
大学・大学院卒 |
男性 |
2億円 (年収:約500万) |
2億1000万円 (年収:約525万) |
2億2000万円 (年収:約550万) |
2億7000万円 (年収:約675万) |
女性 |
1億5000万円 (年収:約375万) |
1億5000万円 (年収:約375万) |
1億8000万円 (年収:約450万) |
2億2000万円 (年収:約550万) |
(引用:ユースフル労働統計 2020)
高校卒と大学卒では生涯年収が男性が6000万、女性では7000万もの差額が発生しています。
こうやってみていくと子供の教育に力を入れる親が多いのも頷けますが、これだけの差が発生するなら子供に投資する親としてはやはり頑張りたいもの。
ただ、これらは平均値であり、年収が高い人がいれば平均額は上がりますし、低い人がいれば平均額は下がるので、参考にはできますが将来の可能性が沢山ある子供の選択肢を考えれば未知数でもあります。
そのため、次は子供が就職した先を想像し、この数字を企業別の生涯給料ランキングと照らし合わせてみたいと思います。
生涯給料トップ10とワースト10
東洋経済オンラインの2020年11月に生涯給料の全国版ランキングを見てみると、生涯給料のトップ10は以下の通りとなっています。
このランキングからは、M&Aが事業領域のM&Aキャピタルパートナーズや日本M&Aセンターのほか、総合商社の三菱商事や伊藤忠商事、丸紅などの誰もが知る有名企業の名前が目立つ結果となっています。
また、精密機器メーカーのキーエンスや土地投資の日本商業開発の生涯給料も非常に高いことがわかります。
次に東洋経済オンラインは同時期に生涯給料のワーストランキングも公表しているので、ワースト10もあわせて紹介していきます。
警備会社や食材調達会社、百貨店事業などを展開する企業がランクインしているが、業種はさまざまな印象です。
しかし、一見生涯年収が高いように見えるこれらの企業は日本でもトップではありますが、日本の経済状況から将来的に貰える生涯年収は大きく下がる可能性はあります。
また、いわゆる「エリートコース」が入るような有名企業へ入社させる事を考えれば、親の努力だけでは足りず、子供の努力も並大抵のものではないはずです。
そのうえ必要になる教育資金や子供の意思を尊重する事を考えれば、生涯年収の高さにだけ拘るのはかなりリスクがあるようにも思う人もいると思います。
それでは冒頭で説明したような学歴によって左右される可能性がある生涯年収で将来を据えるのか?というと、そうではありません。
それでは、次はその学歴や職歴などによって生じる生涯年収の差を埋めるための方法を合わせて説明していきたいと思います。
生涯給料の平均値にはほどんどの人に大きな差が生まれる
最終学歴が「大学・大学院卒」の男性の生涯給料は2億7000万円、女性の生涯給料は2億2000万円。
この数字をトップ10ランキングの生涯給料と比較すると、上位企業の半分にも満たないことが分かります。10位の住友商事(5億2,537万円)でさえ、男性平均より2倍近く多いと言う結果。
また、国税庁の民間給与実態統計調査(令和元年分)によると1年を通じて勤務した給与所得者の1人当たりの平均給与は436万円(男女別にみると、男性540万円、女性296万円)です。
このような生涯給料の差は、企業勤めをしている限りは勤め先に依存してしまうため、給料所得だけでは埋めにくいという縛りがあります。
ただ、今回お伝えしている内容では、あくまで平均の紹介賃金と年収です。
大きな乖離が中学卒と高校卒ではあることが分かったと思いますが、中学卒の場合には年収が約500万円の生涯年収が2億円。令和元年の平均給与をみていくと436万円なっています。男性の540万円だけをみれば高校卒程度にはなりますが、女性に関しては平等とは言いづらい収入格差が発生しており、中学卒にも到達していないのが現実です。
もちろん、夫婦共働区で生涯賃金の平均を見てしていれば対策は必要ないかもしれませんが、共に満たしていない場合、あるいはどちらかが満たしていないのであればなにかしらの対策を必要になります。これは単身者も同様ですが、この差を埋める方法は普通に考えればありません。
しかし、対策の方法はあります。それは近年金融庁や労働省が推奨している「投資」や「副業」という方法です。
投資
近年ではインターネットの進化によって、パソコンやスマホから簡単に投資を始めやすくなり、企業勤めの人でも行いやすくなりました。
新型コロナのよる影響でzoomによるリモートワークの導入などを見ても分かる様に、やり方次第で別の収入形態を作ることが何処でも可能になったわけです。
また、早めに投資を始めれば「複利効果」によって将来的に資産を大きくできる可能性が高くなり、たとえ若いうちにあまり投資する資金がなくとも、時間と共に大きく増やせる可能性が高くなります。
投資収益は「給料」というくくりではありませんが、老後の生活費の基盤となる資産形成としては有効な手段と言えるはずです。
もちろん投資にはリスクは付随しますが、許容できるリスクの範囲を選択しつつ「ドルコスト平均法」を活用して資産運用をしていけば、生活そのものが破綻することはないと言えます。
副業
近年では働き方改革などが進むにつれて、企業が副業を容認する動きも目立ち始めています。企業勤めをしながら身につけたスキルをうまく生かせば、時給換算で正社員として働いているとき以上の報酬を得られるケースが出てきたり、副業がうまくいき事業として成り立たせることも可能なはずです。
また、軌道に乗れば独立・起業と言う選択肢を選び、さらなる高収入を目指すという方法もあります。
人生を豊かにするためには「投資」や「副業」を活用する
生涯給料の差を「勤める企業の差」と割り切って諦めてしまうのは簡単ですが、これからさらに長くなる老後の期間のことを考えると、何とかして得られるお金を増やしておきたいところです。
そのときに投資や副業は解決策になり得ますが、副業はスキルや資格の習得に時間やお金も必要になる事が多く、技術的な側面も大きく関係しています。
新たに挑戦することを考えてみると、仕事の疲れや家族のいる中で習得していくのは違った意味でハードルが高くなります。
それでは投資はどうでしょうか。
確かに資金面では必要になるのは事実ですが、毎月でも少額で積み立てつつ、ドルコスト平均法のように誰でもできるローリスクな方法行っていければ、福利で時間をかけて増やすことは可能です。
もちろん、投資経験のない初心者から見れば不安や怖さもあるでしょう。そのため、まずは本当にお小遣い程度の金額や失っても困らない程度の少額から、コツコツ運用を若いうちから行うのがおすすめです。
それでも将来のためにどうするか?迷う人もいると思いますが、長い人生の中で将来を見越した小さなの対策一つとして、挑戦してみる価値はあるはずですので、ぜひ検討してみては如何でしょうか。
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