みなさんは「貯蓄税」という新しい税金の導入が検討されていることを知っていますか?
2019年10月に消費税が上がったばかりにもかかわらずまたかと思いますよね…きっとこれからも政府はあらゆる手を使って私たちのお金を税金として取ろうとしてくるはずです。
それに備えるためにも税金の知識をつけ、できる限りの対策を講じることが大切になります。
そこでこの記事では、貯蓄税の概要やメリット・デメリット、海外の状況などを説明しましょう。
さらに、貯蓄税に対して私たちができる具体的な対策も解説します。
政府が検討している貯蓄税の魔の手から、少しでも逃れましょう。
Contents
貯蓄税とは預貯金に徴収される税金
貯蓄税とは、私たちの預貯金にかかる税金です。みなさんの銀行預金から自動的に税金が徴収されていくと考えるとイメージしやすいでしょう。
今のところ検討されている貯蓄税の内容は以下の通りです。
- 1,000万円を超えた預貯金の元本に2%
- 名寄せする(複数の銀行口座を持っている場合、合算して計算する)
- 1年の平均残高に課税する
本来、銀行預金とは銀行に預ける対価として利息がもらえるはずです。しかし、今の金利は定期預金であっても、0.01%しかありません。そのうえ2%の税金が継続的に取られたら、私たちの預金は減るのを待つばかりです。
貯蓄税が導入検討される理由と経済効果
新たな税金として貯蓄税を導入するのであれば、何か理由がなければ納得できませんよね。貯蓄税導入の背景には、主に次の2つの理由があります。
- 税負担の格差が生まれない
- お金を預金せずに使おうとする心理が働く
どちらもよく考えると政府側にとってメリットであるものです。詳しく解説しましょう。
富裕層と貧困層の税負担の差が発生しない
貯蓄税は預貯金の額に対して2%という一律の割合で課税するため、富裕層と貧困層の税負担に差が生まれません。
例えば、2,000万円の預貯金を持っているAさんと1億円の預貯金を持っているBさんを比べてみましょう。
Aさんが支払うべき貯蓄税は40万円(2,000万円×2%)、Bさんは200万円(1億×2%)です。
このように預貯金を多く持っている方が高い税金を支払うようになっており、それぞれの経済力に応じて公平に課税できる仕組みになっています。
とはいえ資産があまりない人にも少なからず負担があるのは事実です。むしろ本当のお金持ちはその程度の税金はほとんど気にならないくらいの資産を持っています。結局は貧困層にとって実質的に負担が増える税金です。
お金を預金せずに使おうとする心理が働く
貯蓄税が導入され、銀行預金をしているとお金が減っていくと分かったらあなたは何をしますか?
おおよその人は銀行口座からお金を引き出すでしょう。
それが人々の消費行動へつながる要因となり、インフレを今以上に加速させていきます。景気を底上げするためにはたしかに必要ではあるものの、インフレが続けばみなさんの貯蓄は目減りしていく一方です。
貯蓄税で逆に経済悪化?あまりに大きい2つのデメリット
貯蓄税の導入には経済悪化につながる次の2つの懸念点が存在します。
- タンス預金が増える可能性がある
- 過去に貯蓄税に似た税金を導入した時に失敗している
ただでさえ現在は消費税や社会保険料、授業料などの値上げによって経済悪化が進んでいます。
ここではなぜ貯蓄税が更なる経済悪化につながるのか解説しましょう。
タンス預金が増える可能性がある
貯蓄税を回避しようと考えたら、銀行預金をせずにタンス預金で貯金する人が出てくるはずです。お金を使って消費することで経済が活性化するので、全く使われないようなら意味がありません。
第一生命経済研究所によると、現在すでに日本にあるタンス預金はなんと50兆円です。
貯蓄税によってこのタンス預金がさらに増加したら、消費に使われないお金がさらに増えてしまいます。
さらにタンス預金はもし泥棒に入られたら、一気に資産を奪われる可能性のある危険なものです。
実は今、泥棒が増える可能性が高いのを知っているでしょうか?なぜなら経済の悪さと犯罪率は比例するからです。
日本は少子高齢化で労働人口が減っていく傾向にあり、経済状況は悪化していくと考えられます。そうなれば相関する犯罪率は上がり、泥棒が増えるはずです。
現に1993年から2002年のいわゆる「失われた10年」では、内閣府のデータによると経済成長率はマイナスが続き-2%まで下落しました。同時期に総務省が行っていた犯罪統計では、1990年に認知件数が160万件を超え、2002年には285万件と174%も増加しています。
このように経済の悪さと犯罪率には明らかに相関性があり、これから経済が悪化すれば同じことが起きるのは目に見えているでしょう。しかも現在の空き巣の検挙率は約50%であり、泥棒の2人に1人以下しか逮捕されていないのが現状です。
経済悪化により泥棒が増え、加えてなかなか逮捕されない状況であることから、よりタンス預金の危険性が高まっています。
他にも、仮にタンス預金が泥棒にあったとしたら、もしかしたら家族を疑ってしまうかもしれません。そうなれば家族の関係性も悪くなってしまいます。
貯蓄税はタンス預金の残高を増やし、経済悪化だけでなく、お金を一気に失ったり家族との関係性にヒビを入れる可能性さえある税金です。
過去に貯蓄税に似た税金を導入した時に失敗している
日本では1950年、0.5~3%の『富裕税』を導入しました。富裕税とは、貯蓄税を同じように個人の資産に対して課税する税金です。
しかし、政府は個人の資産を把握するのが難しかったため、たった3年で富裕税を廃止しました。
現在はマイナンバー制度で個人の資産を把握しやすくなったことが理由で貯蓄税の導入が検討されています。ただ富裕層はタックスヘイブンのシンガポールなどへ資産を移す等の税金対策をしているのが現状です。その中で貯蓄税を導入しても過去の富裕税の二の舞になるでしょう。
貯蓄税に似た税金はすでに海外にある
今のところ海外では以下の国々で貯蓄税に似た富裕税が導入されています。
- フランス
- ノルウェー
- スイス
- アイスランド
- スペイン
上記を見てわかる通り、主に欧州の一部で富裕税が課されている状況です。
しかし、実はかつて富裕税を取り入れていたドイツやスウェーデンなど多くの国ではすでに廃止されています。やはりその理由は主に国外への資産の流出です。
スウェーデンでは富裕税を導入後、2000年代に海外へ少なくとも5000億スウェーデン・クローナ(約7兆8000億円)も流出しました。
もし日本でも同じように富裕税を導入したら、海外へ資金が流れているのは目に見えています。つまり貯蓄税にも同様の危険があるということです。現在はそれだけリスクのある貯蓄税が検討されています。
ただ逆に考えれば、欧州で富裕税が課された時に賢かった人はすぐに資産を国外へ移したということです。欧州での例から分かるように、日本でも富裕税に似た貯蓄税が導入されるなら海外へ資産を移動されるのが得策といえるでしょう。
貯蓄税は導入される?されるとしたらいつから?
もし貯蓄税の導入が本当に決定したら、あなたはどうしますか?
すぐに銀行預金を引き出してタンス預金するでしょうか?それとも預貯金が取られていくのを待っているだけ?
どちらにせよ損する道しかないように思うでしょう。
今は貯蓄税が具体的にいつ導入されるか決まっていませんが、実際いつ決定してもおかしくありません。今までの政府のやり方を見てくれば、明らかに国民にとって不利益になることだってやりかねないと言うことです。
最近ならコロナウイルスへの対応が一つの例となるでしょう。ただでさえ人との接触を避けるべき時期に、経済対策として和牛商品券やお魚券を配布すると検討する始末です。
このように日本政府は国民に対して本当にするべきことを見誤ることはよくあります。よって貯蓄税のような悪税が導入される可能性もゼロではありません。
なので一刻も早く対策を講じ始めるべきです。
次に貯蓄税を回避しつつお金を増やしていく方法を教えます。
「貯蓄税は払いたくないけど、資産は増やしていきたい!」という人はすぐに実行しましょう。
導入が決まる瞬間まで指をくわえて見ているかどうかはあなた次第です。
あなたでもできる貯蓄税への対策
貯蓄税に対して私たちができることはなにがあるでしょうか。
先ほどタンス預金は有効な策ではないと分かりました。では資産を持って海外逃亡?
全く現実的ではありません。
しかし、日本にいながら貯蓄税を避けつつ着実に資産を増やしていく方法があります。
それは『資産運用』です。
先ほども紹介した通り、日本国外へ資産を移して運用するのがおすすめ。政府に資産を細かく把握されるのも避けていきましょう。
とはいえ資産運用に抵抗感を持っている人は多いと思います。「投資するといったら、大損するか大儲けするかだろう」と考えている方もいるのではないでしょうか?
ただ、それは当然のことです。なぜなら日本の教育ではお金のことが全く学べないようになっているからです。
まずはお金に対する正しい知識を学ぶことからやってみましょう。徐々に資産運用の必要性が理解でき、不安なく投資で資産形成を始められるはずです。
今後の増税は待ったなし!税金に振り回されない資産設計はできていますか?
貯蓄税はあなたの預貯金にかかる税金です。具体的な導入の日時は決まっていないものの、いつ導入されてもおかしくありません。
最近では消費税も8%から10%へ増税されました。
このように、貯蓄税に限らず支払わなければいけない税金は今後も増えていくでしょう。
仮にあなたが2,000万円を貯金できた時に今検討されている貯蓄税が導入されたらと想像してみてください。
その時点から1,000万円に対して2%の貯蓄税がかかるので、毎年20万円も納めなければいけません。
毎月20万円の支出をしていたとすると、そのうち2万円は消費税として納められており、年間にすると24万円です。
この状況で10年経ったとすると、取られる税金は計440万円にものぼります。
最近では「老後2,000万円問題」が話題に上がったように、これからの年金も不安です。さらに老後2,000万円問題の実態をよくみると、老後に本当に必要なお金は3,000万円以上であると分かります。
金融庁のレポートでは、不足すると予想される分の年金は投資で補うべきとされています。
なので政府も推奨している『投資』が将来のお金をまかなう有効な手段です。
今は超低金利の影響で、銀行預金では全くお金が増えません。
恐れず投資を始めて、長期的に資産を増やしていきましょう。
また、この記事で取り上げた貯蓄税を最大限回避するのであれば、日本国外への投資がオススメです。日本政府に個人の資産をチェックされないようにしつつ、将来のお金を準備しましょう。
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