日本は世界的に長寿の国ですが、長寿ゆえ「がん・心疾患・脳血管疾患」といった治療は困難な病気が死因として挙げられることが多くあります。特にガンは、2人に1人は生涯でガンになり、3人の1人はガンで亡くなると厚生労働省の調査で分かっているほどです。
予兆が現れづらいガンは、気づけば手遅れなほど進行して転移しているという人も少なくなく、「こんなに若いのに…」と意外と若いうちからガンになるという人も少なくありません。
そんな日本で死因として最も高いガンですが、そんなガンに備えるために若いうちからがん保険に加入している人も多くいます。死因一位ということで多くの人が加入を勧められ、加入している人が多いがん保険と併せてがん共済というものがあります。
これは意外と勘違いしている人や違いがわからないという人も多くおり、どちらに加入したほうが良いのか?と迷う人も少なくありません。今回の記事では、日本の死因でもっとも高いガンに対して備えるがん保険とがん共済の違いについて解説してきたいと思います。
Contents
保険と共済の違いとは?
そもそも保険という言葉を聞き慣れている人は多くいるかと思いますが、共済という言葉を聞き慣れてないと言う人は意外と多くいます。
備えとして保険さえ知っておけば良いと考える一方で、保険と同じく備えの1つとして共済はとても重要なものです。
同じものと認識しても、違いは大きいのでぜひ知っておきましょう。
保険とは?
そもそも保険とはどのような商品のことをいうのでしょうか。
私達は生活のなかで様々なリスクに囲まれていますが、それは病気や怪我だったり、死亡するリスク、最近では長生きによるリスクなど様々あります。そして、その際には入院費や治療代、保険によっては教育費や老後資金などを賄うことも可能です。
そんな万が一の備えとしての準備ともいえるのが保険ですが、大きな保障額が支払われる、又は解約返戻金を準備するために、保険会社がお金を増やすために行う運用規模も大きい金融商品です。
そのため生命保険会社は生命保険業を営む会社で、保険者としての責任を負います。
生命保険会社の主な業務は以下の通りになります。
生命保険会社の主な業務
- 新契約募集業務
- 危険選択業務
- 保険料収納
- 保全業務
- 保険金支払業務
- 資産運用
会社運営については、保険業法、商法等により、種々規制されています。
共済とは?
共済とは、保険と違って誰でも加入することはできません。共済に入るためにはその共済を運営する組合員でないと入ることが出来ません。
つまり、組合が運営自体を行っていますが、保険という商品と違ってその組合は営利団体ではないことから、掛け金が安価にて加入できます。
但し、生命保険のような大きな保障を得ることができず、保障を増やしたいからといって、いくつも共済に入れるものではありません。
共済とは加入する組合員が資金を出し合い、そこから保障を行う事業を指します。
生命保険や損害保険にあたる保障(商品)を用意しています。
共済の特徴
- 非営利の組織のため広告費が少なく、そのため民間の生命保険とは異なり、自分担当の営業マンもいない
- 民間生命保険会社各社が出資する「生命保険契約者保護機構」のような公的なセーフティーネットもない
- 万一破綻した場合などは保障は全く受けられない
- 決算の際に剰余金が発生したら、支払った掛け金に応じて割戻金(わりもどしきん)もあるため、 民間の生命保険や医療保険よりも安価で保障を得られるということになる
共済の場合には、保険のように保証や公的なセーフティーもないことから劣る部分がありますが、割戻金もあり、生命保険や医療保険よりも安価に保証を得られるため、自身が死亡することに備えとして考えつつ、しっかりと将来の考えたときにのために備えている人は意外と多くいます。
将来を考えた際に家族を持ちたい方、都道府県民共済の無い地域への転勤・引っ越しが想定される方は、県民共済への加入を慎重に検討してください。
がん保険とがん共済のメリット・デメリット
保険と共済の違いについては解説しましたが、実際にがん保険やがん共済に場合にどちらが良いかと迷う人もいると思います。次はそれぞれのメリットやデメリットを簡潔にまとめてみたので、ぜひ確認してみてください。
がん保険のメリット・デメリット
がん保険のメリットとデメリットは以下になります。
共済と違い、選択肢や保証の充実などは多い傾向があります。
がん保険のメリット
- 保障が充実している
- 自分が加入したい保険を自由に選べる(保険の選択肢が多い)
- 最新の保障に加入できる
一方のデメリットは、次の通りです。
がん保険のデメリット
- 保険料が割高
- 告知の加入要件が厳しい
- 年齢や性別などで保険料金が変わる
長所と短所は表裏一体であるように、生命保険は共済に比べて保険料が割高です。ただ、保障内容は充実したものを選択できるため、臨機応変に選択できるという部分は強みになります。
共済のメリット・デメリット
共済のメリットとデメリットについては、掛け金のい安さや割戻金など、保険にはないものが強みになります。ただ、その分デメリットも大きいのでしっかりと理解しておくことが重要です。
共済のメリット
- 掛金が割安
- 掛金が年齢や性別などにかかわらず一定
- 保障内容がシンプルでわかりやすい
- 割戻金の制度がある
共済のデメリット
- 保障内容が生命保険に比べて少ない
- 保障内容を柔軟に選べない
- 共済の種類や地域によってそもそも加入できない場合や特定の保障に加入できないことがある
共済は生命保険と異なり、同じ保障であれば掛金も同じになります。
ただ、非営利であるため、掛金は生命保険に比べて割安です。しかし、保障という点を考慮すれば。充実しているのは生命保険に軍配が上がるのはいうまでもありません。
がん保険とがん共済の保険料の比較
今回算出するのに用いた保険商品は価格ドットコムのがん保険の人気ランキングで1位になっているアクサダイレクト生命の「アクサダイレクトのがん終身」という保険商品でみていきます。オプションは共済に合わせて「手術給付金・先進医療給付金」が支払われるもので比較します。
また、共済は都道府県民共済グループの東京都民共済「生命共済」の一番加入者が多い「総合保障2型」にがんの特約である「新がん2型特約」に加入した場合で「80歳までの総支払い額」を比較したいと思います。
保証内容はいずれも
- がん入院給付金(共済金) :10,000円(日額)
- がん診断給付金(共済金) :1,000,000円
- がん手術給付金(共済金) :あり
- がん先進医療給付金(共済金) :あり
※がん手術給付金(共済金) 、がん先進医療給付金(共済金) の給付金(共済金)は保険会社、共済により基準が異なります。全く同じ条件ではありません。
加入年齢 |
30歳 |
40歳 |
50歳 |
60歳 |
がん保険 |
¥1,326,000 |
¥1,545,600 |
¥1,728,000 |
¥1,699,200 |
がん共済 |
¥2,400,000 |
¥1,920,000 |
¥1,440,000 |
¥960,000 |
実質、共済の場合は毎年、返礼率が違いますが「割戻金」があるため上記の比較よりも20〜30%程度支払額は軽減されることになります。
実際に都民共済の割戻り金は、2019年で37.31%と非常に高い水準です。
80歳まで支払い続ける場合、30歳から加入するのであれば、割戻金を考慮したとしてもがん保険の方が圧倒的安く40歳までにがん保険に入るのであれば多少安いと言えます。
しかし、がんの罹患率が上がってくる50歳以降に加入するのであれば共済の方がお得になるという結果になりました。
保険代理店に行ってまでがん保険に加入する必要はない
保険の代理店は多くありますが、将来の不安の1つとして加入を勧められることは多くあります。もちろん、将来をことを憂いていれば不安にかられて相談する人も多いと思います。
最近では無料で相談を受け付ける代理店も多く、FPにがん保険の相談する人が増えています。しかし、保険商品は共済との違いで分かったように、営利目的の商品です。
特にFPが紹介する保険の場合では、「契約=利益」になるため、「 日本人の2人に1人が、がんにかかりますからね」などと不安を煽るような形で加入を勧められることが少なくありません。
ただ、実際に備えとして必要であったとして、相談してくれた当人に最適な保険ではなく、FPや代理店にとって利益が大きい保険商品に契約させようとしてくることも少なくありません。
利益相反とまではいいませんが、FPは主婦や大学生でも隙間時間に勉強すれば取れる肩書であり、本当にあなたにとって必要な保険の内容なのか?といえば、年齢や喫煙状況など、様々な要因があるため勧められる保険が最適と鵜呑みにしていれば長い年月を加入する保険では損をしてしまうことも多くあります。
そうなった場合、保険のデメリットをすべて受けてしまうこともあるため注意しておきましょう。
オフショアで保障と運用を確保し、心配な人は共済で補填するのがベスト
確かに日本において、ガンは死因として高く、備えておくべきものです。その備えが保険と共済のどちらがいいのか?と言われれば人によって異なるでしょう。
ただ、2人に1人がガンになるといわれていても、その数字は80歳という超高齢になってからです。そのため、若いうちに不安に駆られ、怯えて高い保険料を支払うのは無駄になってしまう可能性が高くなります。
特にがん保険は掛け捨てなので、ガンになる確率が非常に引いうちからお金を使うのはかなり損をしてしまうことが目に見えています。
仮にガンになったとしても、先進医療である「陽子線治療」と「重粒子線治療」を使った場合でもガンの医療費は300万円前後と厚生労働省「先進医療会議」の令和元年度実績報告から分かっています。
確かに高い金額ではありますが、高齢間近に加入すれば賄うことはできますし、その年代になってある程度の資産を築くことができれば充分に対処が可能な金額でもあります。
それならば、ガンになる可能性が低い年代からオフショア保険などで死亡保険を確保しつつも、運用に比率をおいた保険で備えるほうが賢いはずです。
オフショア保険では、日本で最も人気の保険よりも解約返礼率のリターンが日本よりも多く見込むことができるため、将来ガンになってしまったとしても、治療費の補填が聞きやすくオススメです。
実際にオフショア保険については、日本で最も加入者が多い保険と比較した内容があるので参考にみてみましょう。
ガンと聞けば不治の病で備えることに越したことはありませんが、備えも無駄になってしまうようでは意味がありません。大切なのは、備えつつも他の大切なことへも活用したり、将来への負担ではなく、別の意味で備えにできる方法のはずです。
今回紹介したがん保険と共済の違いについてはもちろん、今加入している保険などを見直してみて、将来への経済的な備えを作れるようにオフショア保険のついても視野にいれてみましょう。
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