コラム

投資詐欺よりも悪質な銀行の投資商品には気をつけろ

こんにちはmaruです。

NISAやiDeCoなどの言葉が、ニュースや新聞などで報道されるようになりました。老後の事も考えて資産運用を意識する人も増えてきています。そんな時にふっとやってくるのが怪しい儲け話。

怪しい儲け話にひっかかって、お金を増やすつもりが全部騙されて取られてしまったということになりかねません。そこで今回はそのような事態をさけるためにも、彼らの手口を公開していきます。

Contents

儲けの話は突然にやってくる

投資詐欺と聞くと、「年寄りを狙ったものが多いんじゃないの?」と思う人も多いかもしれません。実際は20代や30代の人でも被害にあるケースもあり、誰にでも遭遇するケースがあるのです。

自宅の電話に突然かかってくる電話

ある日のこと。突然あなたの電話に知らない人から連絡がきます。普段は出ないのにたまたま電話にでてしまったのが運の尽き。怪しい投資話を聞いてしまい、つい乗り気になってしまいよく確かめもせず契約してしまったということが起こります。

悪徳業者は違法業者から名簿を入手し、他人名義で契約した携帯電話を使って勧誘してきます。本当は架空企業なのに、登記もされており、HPまであるとすれば、ちゃんとした企業から連絡が来たと思ってしまうのも無理はありません。

代表的な詐欺の儲け話

投資詐欺として代表的なのが、未公開株詐欺です。業者が、「上場間近なので大儲けができます」と近寄ってきます。業者は株券の代わり預かり証を渡してくるのですが、肝心の株券は渡されず。そこで怪しいと思って調べてみると上場予定はなかった、というもの。

パターンはいろいろあるのですが、お金を払ったら最後、業者が姿を消してしまい連絡がとれなくなることがほとんどです。

一見怪しそうではない人の方が怪しいという事実

未公開株詐欺の場合、「なんとなく大丈夫かな」と思う瞬間があります。ですが、これが権威的な人や知り合いなどがやっていたとしたら見抜くことができるでしょうか。

元警察官もグルのテキシア詐欺

投資詐欺案件を担当した元警官が関わっていたとして話題になったのがテキシア詐欺です。巧妙な手口だったために、被害者は拡大し、全国で1万3000人、被害総額も460億円にもなりました。チャリティー色を強く打ち出し、巧妙に共感を演出したことや、「月利3%」と、素人には一見実現可能性がありそうな数字を提案したことで、発覚が遅れたともいわれています。

海上保安庁投資詐欺

現役の海上保安官達の間で、高配当をうたう投資が横行。消費者金融に駆け込んで数百万円の借入を行ったあと、退職するひとが続出したため発覚しました。

詐欺よりもタチが悪い搾取

いままであげた案件であれば、少なからず警戒するでしょう。しかし、詐欺や搾取が多い投資もあるのです。それはなにかというと、銀行や証券会社が販売している投資商品です。

かんぽ生命保険の不正契約18万件

郵政グループであるかんぽ生命保険が、顧客に対しふりな契約を勝手に結ばせたり、二重契約していたことが2019年に発覚しました。不正は18万件以上にのぼります。これは「現在加入している古い保険を解約し、新しく保険の契約をしましょう」と顧客にもちかけ、古い契約をすぐに解約せずに6か月以上継続させていました。これは、詐欺罪や保険業法違反になるとも言われています。

2018年の詐欺集団がやった数は約1万6千件。かんぽ生命は今分かっているだけで18万件ですので、詐欺集団の10倍以上をやっていることになります。この背景には過度のノルマ主義があったとされていますが、だからといって同情されるものではありません。

日本郵政としてもかんぽ生命からの手数料収入は、数少ない収入源。ある意味、組織を存続させるために、顧客に対して不当なことをしのいでいたという事になります。

かんぽ生命のこの事件は、なんとなく収束することで終わるような気がしています。それは、日本は大企業には甘いからです。同じようなことが銀行や証券会社にも言えるということです。

ノルマに縛られている銀行

ある程度銀行と付き合いがでてくると、定期預金だけではなく金融商品を勧められます。これはなにかというと銀行員にとっては「ノルマを達成するため」、銀行にとっては「儲かるから」勧めるのです。これだけ低金利が続くと、預金や融資だけでは稼げなくなりました。そのため銀行の合併がどんどん続いているわけですが、銀行としては新たな収益源として、金融商品を積極的に販売することにしたのです。

会社の都合がもっとも優先される金融商品とは

銀行員が勧めてくる投資商品は「投資信託」「個人年金(保険)」「外貨預金」など。つまり、為替や価格の変動によって元本すら保証されない商品です。これらの商品は手数料が高いために販売をしたいのです。

顧客に同じ時間を説明したいのならば、販売側である銀行員が手数料が高い金融商品を選択するのは当然ともいえます。あくまでも顧客本位ではない商品紹介が行われているのが現実なのです。

銀行が販売している金融商品、全てが悪いとは言い切れませんんが、行員のおススメをそのまま受け取っているようでは、あきらかに自分にとって不利な商品を勧められてくる可能性も否定できません。

敢えて売買を増やして手数料を取ろうとする証券会社

手数料収入が生命線の証券会社は、手数料が入ってくるためにいろいろな工夫をします。大口の顧客ほど、手数料収入も多くなるので大切にし、小口の場合は適当にあしらいます。インターネットが普及した現在でもその傾向は減りつつあるののの、体質は変わっていません。彼らからすれば、売買をしてもらわないと、手数料が入りません。「株のもうけは我慢料」という言葉もあり、長く持っている方が利を得やすいのですが、顧客に対しては少し下がったら損切をさせて、目先で上がるような銘柄を勧めて買わせます。この繰り返しによって、顧客は資産をすこしずつ減らし、証券会社は儲かるという仕組みになっています。

詐欺よりも気を付けなくてはいけないのは

日本証券業協会 平成28年度「株や社債をかたった投資詐欺」

ここまで、詐欺商品と呼ばれる投資商品の内容や、銀行や証券会社の裏事情を暴露してきました。詐欺という言葉は強く印象付けられてしまいますが、数で言えば毎年1万件ほど。それよりも、ある意味問題なのは、日常的になってしまっている銀行や証券会社の行動のほうが、実は合法だけどもあなたの資産をむしり取っている可能性があるのです。その点から注意してみてみると、社会の仕組みがまた違って見えてくるのではないでしょうか。

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