コラム

AFPに相談。第2弾「保険」での資産構築のプラン

AFPに相談

前回の記事、初回の相談では、相談相手である私から将来の不安や今の資産形成状況など詳しくヒアリングすることを中心に、節税や控除についての重要性をFPに解説して頂く内容になりました。

ただ、現実的な問題としては、節税や控除の効果はあまり期待できないことも分かりましたが、2回目の面談である今回は「保険」を活用して将来の資産を作り上げることが中心になっています。

保険というと、万が一の備えとして加入することが多いですが、実際に将来設計にどのように活用できるのか?FPの提案してきた内容を見て行きたいと思います。

Contents

無料相談2回目「オススメは保険で老後資金を賄う」

無料相談2回目

前回の内容から、2回目は控除全面的に推して加入を促す形の復習から始まりました。

生命保険の基本形3パターンあり、死亡保障1000万とした場合には以下となると想定しています。

  • 養老保険:満期or死亡時に1000万(46,000円程度)
  • 定期保険:満期後は掛け金・保証金とも0円(3,700円程度)
  • 終身保険:死亡保障1000万はいくつでももらえる(41,000円程度)

保険には病気や傷害が起きた際のリスク、老齢のリスクなど生きていく上で発生する万が一のために備えておくことは重要ですが、結婚資金や教育費といった人生を歩む上では必要になる資金も考える必要があります。

2回目の相談では危険に備えたリスクだけではなく、ライフイベントで必要になるお金のことや細かい生活費の総額を具体的に説明してもらいながら、こちらも保険を活用していくという提案を頂きました。

ただ、教育資金や結婚資金、生活資金も合わせればかなり金額になります。その額は約1.5億ほどですが、「保険で補えるのか?」という疑問も当然生まれます。

正直、不可能に近いのではないと思うのですが、頂いた資料から以下のシュミュレーションを作成してみたいので、一度あなたも確認してみてください。

4つの提案内容のシュミュレーション結果をみて分かる現実

提案内容のシュミュレーション

ここからは3つの控除別に提案された内容を実例を出してご紹介しつつ、実際に加入した場合を想定して考えてみたいと思います。
提案いただいた保険をお勧めできる人やデメリットなども合わせて書いていきたいと思います。

節税額に関しては日本の平均年収が400万前後の方を想定し、税率15%(住民税10%+所得税5%)で計算しています。

養老保険。マニュライフ生命のこだわり変額保険

こだわり変額保険

マニュライフ生命のこだわり変額保険は「一般生命保険控除」が使える保険になります。
変額養老保険は言い換えると投資信託付き養老保険です。この商品の運用先は契約者が選ぶ物となっているため、元本割れは契約者の自己責任という商品になっています。

この投資先の選択をFPさんにしても明確な回答を得ることはできず、「全責任」は契約になります。
そんな商品を35年間(30〜65歳)加入し、シュミレーションを出していただくと以下のようになります。

年率

返戻額

返戻率

-3.55%

1,650,079円

39.3%

0.00%

3,056,469円

72.8%

1.55%

4,127,790円

98.3%

3.55%

6,195,583円

147.5%

加入してから数十年は返戻率が100%を超えることはないため、もしも解約する場合には逆に損をするような形になります。

また、こちらの保険をお勧めできる人は、選択できる7つのファンドを自分で調整できる人が中心になるため、投資経験がない人には判別がしずらい特徴があり、株式の割合が多くなるほどリスクが高くなるので注意する必要があります。

メリットとしては、年間12回まではファンドのスイッチングは手数料がかかりません。
選択できる7つのファンドの現在の価格などはマニュライフ生命のユニットプライスから確認することができますので一度確認してみましょう。

次に、こちらの保険のデメリットをお話していきます。

この保険は自分でファンドを選択するため、予定利率が設定されていません。そのため、短期(25年以下)での早期解約・途中解約では元本割れの危険性が「大」だということです。
投資信託などを自身で選んだことがない人は控えた方が良いといえるでしょう。

定期保険。メットライフ生命のフレキシィS

フレキシィS
  • 商品名:メットライフ生命 フレキシィS
  • 終身医療・手術特約・先進医療・三代疾病
  • 保証金額(保険金):入院日額5000円
  • 支払額(月額):1,943円
  • 節税額:1,166円

メットライフ生命のフレキシィSは「介護医療保険控除」が使える保険になります。
こちらの保険は「保障対象の選択肢の幅が広い点」と「加入時の保険料が一生涯変わらない点」が大きなメリットかと思います。なのでご自身にあった内容をカスタマイズすることができます。

ただし、この保険はもし長期入院になってしまったは入院保障の延長ができないため注意が必要です。近年では医療技術の進歩により入院に数は短期になりつつありますが長期保証もほしいという方にはあまりオススメできない保険になるかと思います。

※こちらは掛け捨てなので返戻のシュミレーションはありません。

終身保険は2パターンの提案

終身保険は保証が一生涯続く保険でもあり、いつ必要になるのか分からないものの一生涯のうちに必ず発生する費用を確保する目的には最適な保険でもあります。

そのため相続税や葬儀費用といった親族が無くなった場合に発生する支出が一例として挙げられますが、老後を迎えるまでは保証を確保し、その後に年金に移行するといった利用も可能なため人生で重要な保険の1つですが、提案された2つの終身保険でシュミュレーションしてみたいと思います。

終身保険。メットライフ生命ドルスマートS(ドル建て終身)

ドルスマートS

メットライフ生命のドルスマートSは「一般生命保険控除」が使える保険になります。

上記で説明したこちらの保険は米国債券で運用され、運用先のファンドの選択などはできません。運用成績がよければ約40年間で150%ぐらいになるかもしれない保険です。

37年後(30〜67歳)に払込56,764.8USDした場合のシュミレーションは以下です。

年率

返戻額

返戻率

2.50%

68,366.62USD

120.4%

3.00%

78,480.81USD

138.2%

3.50%

90,038.31USD

158.6%

早い段階で返戻率は100%を超えるので、長い間い加入していれば得をするような形になります。しかし、手数料が割高な傾向があり、為替リスクも存在するので、返戻率だけに着目すると加入して数十年間後に後悔する可能性もあります。

この保険のメリットとしては円建て保険よりも積立て利率が高いという点です。

しかし、こちらの保険では3つの手数料がかかります。

  1. ご契約にかかる諸費用(死亡保証のための保険料)
  2. 外国通貨の取り扱いにかかる費用(円➡ドルへの為替手数料)
  3. 解約・減額の際に負担する費用(10年以内に解約してしまうとペナルティあり)

上記のシュミレーションだけを見れば返戻率は非常によく見えます。
ですが、こういった隠れている手数料には気を付けないといけません。10年以内に解約・減額は絶対にしないと強い意思がないと後から後悔をすることになるかもしれません。

ちなみに、私に説明をしてくれたFPさんはこの手数料に関しての説明は特にしてくれませんでした。

終身保険。マニュライフ生命のこだわり個人年金(外貨建て、米ドル)

こだわり個人年金

マニュライフ生命のこだわり個人年金は「個人年金保険控除」が使える保険になります。
こちらの保険は年金保険というだけあってライフスタイルの変化に合わせやすい保険といえます。保険料を途中で変更することが可能であり、契約から10年以上経過していれば一時的に支払いの停止(払い込みの一時停止・再開)が可能です。

子供の進学時や今回のようなコロナウィルスなどにより一時的に収入の減少があった時でもライフプランに合わせて柔軟な対応ができるのはありがたいことです。

しかし、個人年金保険は終身保険ではないため、死亡保障は薄くなります。

また、米国債券で運用しているのでリスクも少ないですが大きなリターンを得れることはないでしょう。

詳しい内容は今回は割愛させていただきますが、為替レートに変動がなかった場合、最低17年やってないと元本(支払った金額)が確実に割れてしまう商品になっています。
最低払い込み金額の1万円で、35年後を想定すると以下のようなシュミレーションになります。

ケース

返戻額

返戻率

為替レートが10円円安なった場合

約527万

約125%

為替レートに変動がなかった場合

約482万

約114%

為替レートが10円円高なった場合

約437万

約104%

10円もの額が為替価格で増減するのは稀ですが、加入期間が長ければ大統領選挙や今回の新型コロナウイルスのような予測ができない自体で為替市場が大きく動くかもしれません。

短期間では返戻率は低くなるため、長期加入が前提になりますが、17年という月日に対して払い込みの一時停止と再開ができるのは他の保険にはない強みでもあります。ただ、年金保険という割に35年のシュミュレーションでは大きく増えてはいないため、この保険だけでは将来の不安を払拭するためには足りないのは分かると思います。

国内3つの商品とオフショアの優劣比較

オフショアの優劣比較

上記で返戻シュミレーションがある商品3つとオフショアの商品を比較してみます。以下の条件で比較します。

①返戻額がある商品のみで比較。
 ※掛け捨ての商品は比較対象にしていない。
②この比較ではUSD表記の項目は1USD=100円で算出。
③返戻率は保険会社のシュミレーション上での数値を記載。
 ※下記表の返戻率は(総払込額÷返戻額)はではない。
④今回の比較は上記項目の一番良い返戻シュミレーションを採用。

会社

マニュライフ

メットライフ

マニュライフ

オフショア

商品名

こだわり変額保険

ドルスマートS

(ドル建て終身)

こだわり個人年金

元本確保型

控除部類

一般生命保険

一般生命保険

個人年金保険

できない

節税額

(年間)

6,000円

6,000円

6,000円

0円

払込期間

35年

37年

35年

15年

総払込額

(総積立額)

420万

56,764.8USD

(約570万)

420万

36,000USD

(約360万)

返戻額

約620万

90,038.31USD

(約900万)

約527万

50,400USD

(約504万)

返戻率

147.5%

158.6%

約125%

140%

上記の表は今回紹介した3つの保険商品とオフショアを比較したものなっています。

控除や節税に関してはできないため劣っていると判断できますが、大きな額ではありませんので考えるほどの優劣にはなりません。

一番大きな優劣は、国内の商品と違い払込期間が半分以下の15年にも関わらず、最終的な返戻率は他の商品と遜色ない数字になっている点です。

仮に倍の30年すれば1000万近くまで増やすことができるため、老後資金や教育費用などの対策に効果的です。他の商品は30年という期間を考えると対策には不十分と捉えることもできますので、同じ加入期間を前提とするなら、大きな差が生まれることが分かります。

国内の商品にばかり目がいきがちですが、海外のオフショア商品も併せて確認してみると如何に日本に比べてオフショア投資の方が優れているかが分かります。

ただ、これはあくまでも老後対策といった将来のための解決策が提示されず、私の持ちうる知識をもとに比較してみた結果です。

次回の3回目では、FPへの相談で今回よりも積極的に老後対策や将来のライフプランへの考え方を聞いたので、次回の「AFPへの無料相談最終章「老後対策」への活路とは?」では、実際にFPに提案された具体的な将来のライフ・マネープランについて聞いた内容をお伝えしたいと思います。

今回提案された以外の対策方法も提案してくださっているので、まずはその点も私の知っている知識から問題点、優れている点を見ていきながら、本当に対策になりうるのかを見て行きたいと思います。

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